[MOM4977]松山北MF川口絢三(2年)_県予選は全試合負傷欠場「俺が結果残さなダメ」責任感とともに奪った決勝点
ゲキサカ / 2024年12月29日 20時8分
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[12.29 選手権1回戦 東海大山形高 0-1 松山北高 U等々力]
仲間が繋いだ舞台で決勝ゴールを決めた。松山北高(愛媛)は29日に第103回全国高校サッカー選手権1回戦を行い、県予選を負傷欠場したMF川口絢三(2年)の得点で勝利した。
進学校の松山北は受験勉強のためほとんどの3年生が高校総体をもって退部するため、選手権予選まで残った最上級生はMF森隼人(3年)のみ。下級生主体で臨む同予選は1回戦からの登場となったが、勝ち抜いて8年ぶり6回目となる冬の全国切符を獲得した。
ただ主力組の川口は県予選の初戦前に鎖骨を骨折してしまい、同予選全試合を応援席から見届けた。スタンドからの応援は初めての経験になり「悔しい気持ちもそのときはあったけど、全国に行ったら復帰できるなと思ったので全力で応援した」と振り返った。
迎えた選手権の初戦。川口は「スタジアムがでかすぎて、最初入った瞬間『でっか!!』と思った。観客もめっちゃおったし、結構ビビる部分や緊張した部分も正直ちょっとあった」と大舞台ならではのプレッシャーを感じたという。それでも「ピッチに立って歓声が聞こえた瞬間、『これはやらないかんな』と思って緊張がぶっ飛んだ」。自身がその立場を経験したからこそ、「今の自分からしたら応援の人らはありがたいし、やっぱ俺が結果残さなダメやなみたいな責任感もあった」と応援の存在が力になった。
そう話す川口は0-0の後半18分、大仕事をやってのけた。GK市中磨生(2年)のパントキックに対して前線で相手と競り合うと、こぼれ球を巡る争いを制してGKと1対1に。「体を開いてファーに見せかけて、GKがファーに(体のバランスが)かかっていたのでニア絶対空いたなと」冷静にゴールネットを揺らした。これが決勝点になって愛媛県勢としては5大会ぶり、チームとしては史上初(抽選勝ちを除く)の初戦突破を果たした。
「決めたときは自分の気持ちが上がって正直歓声があまり入ってこんくて。試合が終わった瞬間は安心感もあったし、全国大会で久しぶりの1回戦勝利を掴めて『俺が点決めたんか』みたいな感じで嬉しかったです」
川口はテストで学年1位に輝いたこともあるようで、これまでの先輩と同様に来夏の総体をもって退部することになれば今大会が最後の選手権になる。靴擦れの影響で「ぶっつけ本番で」スパイクを変更するトラブルもあったが、松山北に新たな歴史を刻んだヒーローはオフ・ザ・ボールの動きやドリブルを武器に全国で躍動し続ける構えだ。
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(取材・文 加藤直岐)
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