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ベールを脱いだ“秘密兵器”…高知MF西森吏玖、驚異的な飛距離を誇るハンドスプリングスローで会場の度肝を抜く

ゲキサカ / 2024年12月30日 7時46分

驚異的な飛距離を誇るハンドスプリングスローを披露した高知高(高知)MF西森吏玖(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 専大北上高 0-2 高知高 駒場]

 会場が大きくどよめいた。高知高(高知)MF西森吏玖(3年)が投げ込んだボールは遠くへ、さらに遠くへと飛んでいく。推定飛距離40メートル超えを誇るハンドスプリングスローは相手の脅威となった。

 大きな助走を取り、勢いよく走り出す。手に持ったボールを地面へと叩きつけると、自身は軽やかに宙を舞い、前転した勢いを加えて放り投げる。ハーフウェーラインからやや敵陣に入った位置から投げ出されたボールはゴール前へと到達。滅多にお目にかかれないハンドスプリングスローから多くの好機を創出した。

 中学時代に遊びでやっていたというハンドスプリングスローだが、高校に入って「公式戦でもルール的に使えると分かって自分の武器となると思った」と練習するようになった。しかし、「隠していたというか、出す場面があまりなかった」と苦笑したように、これまでに公式戦で披露したのは「4、5回くらい」だという。

 これまで隠されることとなった秘密兵器だが、「全国の舞台では出そうと思っていた。相手が脅威を感じてくれて、プレッシャーになればいいし、会場の雰囲気を高知に持ってこれるかもしれない」と選手権の舞台でお披露目することに。西森だけでなく、FW門田翔平(3年)もロングスローを扱い、2選手が距離や角度に応じて投げ分ける“飛び道具”はチームの大きな武器となっている。

 ハンドスプリングスローが大きな注目を集めることとなったが、正確なキックも自身の武器だと胸を張る。「キックにも自信があるので、ロングフィードやサイドチェンジも見てほしいし、対人や競り合いも持ち味なので、そういうところも見せていきたい」と2回戦以降も自身の武器を披露し、チームの勝利に貢献しようと意気込んだ。

(取材・文 折戸岳彦)
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