「静学の歴史上、同じ相手に絶対に負けられない」…静岡学園、広島国際学院にリベンジ達成で初戦突破!!

2点目を記録した静岡学園高FW乾皓洋(3年=9番)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 静岡学園高 2-0 広島国際学院高 駒場]

　第103回全国高校サッカー選手権は29日、各地で1回戦を行った。浦和駒場スタジアムの第2試合では、2年連続15回目の出場となる静岡学園高(静岡)と2年連続2回目の出場となる広島国際学院高(広島)が対戦。静岡学園が2-0の勝利を収め、31日の2回戦で高知高(高知)と対戦する。

　昨年度の2回戦でも同会場で顔を合わせた両チーム。1年前は1-1で迎えたPK戦を4-3で制した広島国際学院が3回戦へと駒を進めていた。

　そして、1年ぶりの再戦。前半17分にスコアを動かしたのは、リベンジに燃える静岡学園だった。中央でボールを受けたMF佐々木雄基(2年)が浮き球のパスを前線に送ると、走り込んだMF篠塚怜音(2年)が胸トラップからPA内に侵入。相手の前に体を入れて放ったシュートはGK加藤翔正(3年)に阻まれるも、こぼれ球を自ら蹴り込んでスコアを1-0とした。

　その後も静岡学園が主導権を握って試合を進める。右の佐々木、左のMF原星也(3年)が鋭いドリブルで守備網を切り裂き、幾度となく敵陣深くまで攻め込む。前半に放ったシュートは、13本。しかし、追加点は生まれなかった。原、FW乾皓洋(3年)らが放った決定的なシュートは、ことごとく加藤に弾き出されて、1-0のまま前半を折り返した。

　後半に入ると、静岡学園は左サイドの原を右に移し、左にはDF鵜澤浬(3年)を投入。両者が独特なリズムを刻む突破で対面する相手を翻ろうするが、広島国際学院も必死のカバーで決定機を作らせず。しかし、20分に一瞬の隙を突いて、静岡学園が追加点を奪取する。

　DF土田拓(3年)が蹴り出したロングボールから鵜澤が左サイドに抜け出し、PA内に走り込んだ乾にラストパスを供給。ビッグセーブを連発していたGK加藤の動きを見極めた乾は、冷静に右足のシュートを流し込み、大きな意味を持つ2点目を記録した。

　その後は反撃に出る広島国際学院の攻撃をDF関戸海凪(3年)、DF岩田琉唯(3年)の2CB、守護神のGK有竹拓海(2年)を中心とした守備陣がはね返し続ける。2-0の完封勝利で昨年のリベンジを達成し、2回戦へと駒を進めた。

　川口修監督は「静学の歴史上、同じ相手に絶対に負けられない。ここでリベンジして、去年の負けをリセットする、そういう気持ちで選手はやってくれた」と選手たちを労いつつも、「今日のゲームは堅さがあった。いつもの自分たちのテンポのサッカーは正直できなかった」と話した。

「今日は2-0で勝ったけど、内容的には自分たちが目指しているサッカーには届いていない。自分たちが目指している、自分たちの特長を出したサッカーをやって勝つことが我々のスタイルなので、勝ったけど、そこは物足りない」

　静岡学園は、勝っただけでは満足しない。2日後に迎える2回戦では自分たちのサッカーを貫き通した上で、再び勝利を手に入れる。

(取材・文　折戸岳彦)
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