静岡学園の強さを肌で感じた広島国際学院GK加藤翔正「映像を何回も見ていたけど、試合中に驚かされてしまった」

広島国際学院高(広島)GK加藤翔正(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 静岡学園高 2-0 広島国際学院高 駒場]

　先制点を献上しても集中力は途切れなかった。広島国際学院高(広島)のゴールマウスを託されたGK加藤翔正(3年)は、静岡学園が放つシュートを次々と弾き出し、反撃の時を待った。

　序盤から静岡学園にボールを保持されると、前半17分に先制点を献上。MF篠塚怜音(2年)が放ったシュートを一度は加藤が体に当てて防ぐも、こぼれ球を篠塚に蹴り込まれてしまう。その後も静岡学園の猛攻にさらされるが、ここで加藤が立ちはだかる。至近距離から放たれるシュートに対し、好反応を見せてビッグセーブを連発した。

　0-1のまま前半を終えると、前半のシュートを0に抑え込まれていたチームが奮起。敵陣にボールを運ぶ回数を増やし、フィニッシュに持ち込む場面も作り出した。だが、後半20分にFW乾皓洋(3年)に追加点を奪われると、そのまま逃げ切られて0-2の完封負けを喫し、初戦敗退となった。

「(静岡学園の)映像を何回も見ていたけど、予想できないプレーが多くて、試合中に驚かされてしまった。サイド攻撃の対応も皆で話し合っていましたが、実際にやったら、ものすごくうまくて、ついていくことに必死だった」

　静岡学園の強さを肌で感じ、敗れはした。しかし、憧れの舞台で優勝候補の一角と対戦したことは自身にとって、大きな財産になると確信している。

「僕は大学でもサッカーを続けます。こんなに高いレベルの相手とサッカーができて、すごく勉強になった。皆がこの舞台に立たせてくれたので、この経験を次につなげていきたい」

　自身は大学に進学し、新たな目標へと向かう。そして、再び選手権の舞台を目指すこととなる後輩に向け、「僕らは一つ上の先輩に食い込めなかったけど、今の2年生はスタメンに食い込み、県予選からたくさん助けてくれた。来年も絶対に全国を狙えると思うので、先輩たちを越えていってほしい」とエールを贈った。

(取材・文　折戸岳彦)
●第103回全国高校サッカー選手権特集▶部活生の足元を支える新素材!カンガルーレザーからSILKYWRAPへ