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金沢学院大附のポゼッションサッカーに観衆どよめく!! 選手権デビューも大会前から掴んでいた自信「上にも通用することは分かっていた」

ゲキサカ / 2024年12月30日 21時25分

金沢学院大附がポゼッションサッカーを発揮

[12.29 選手権1回戦 金沢学院大附高 0-0(PK4-3) 鹿児島城西高 U等々力]

 初出場で初戦を突破した金沢学院大附高(石川)のサッカーに、スタジアムがどよめいた。巧みなパスワークでチャンスを作り、チームの色を堂々と示した。

 金沢学院大附はポゼッションサッカーがスタイルで、県予選を勝ち抜いて悲願の選手権初出場を果たした。1回戦で戦った鹿児島城西高(鹿児島)はプレミアリーグWEST勢だったが、北一真監督は「そこは実は全然僕ら関係ない」とキッパリ。スタイルを変えることなく、普段通りのサッカーを展開した。

 前半14分、早速鮮やかな連係でゴールに迫った。ゴールキックをGK石山アレックス(2年)がペナルティエリア内のDF山下聖真(3年)に繋ぎ、サイドバックとボランチを経由しながら前からハメに来た鹿児島城西のプレスを華麗に回避。一気に中盤で待つFW丸山幹太(3年=FC町田ゼルビアジュニアユース)にボールが渡り、4対3の状況を作ってシュートまでもっていった。

 前半35分にも自陣深くから決定機を迎えた。自陣コーナーエリア付近からのスローインでリターンを受けたDF油野瑛斗(3年=ツエーゲン金沢U-15)がロブパスで最前線のFW家邉凛太朗(2年=Vervento京都FC)に届けると、家邉はDF嶺野悠斗(3年)とのワンツーで一気にゴール前へ。家邉の折り返しを丸山がフリーで合わせたボールはゴールカバーに入った相手DFのスーパーブロックに遭ったものの、観衆を魅了する攻撃を見せた。

 初の選手権で自信を得られるような内容に思えたが、実際は大会前の時点で手応えを感じていた様子。指揮官は選手の躍動ぶりについて「来る前に(青森)山田高さんともやらせてもらいましたし、(新潟)明訓高さんとかプリンスのチームともやらせてもらいました。やれる部分はもちろんあったので、その部分を彼らは多分自信にしてこの試合に入ってくれたんじゃないかなと思っています」と胸を張った。

 この試合でPKストップの活躍を見せたGK石山も「(手応えは)ずっとありましたし、県予選からもありました」と話し、自信をもって試合に臨んでいた。

「練習試合で強豪とやって自分たちのパスサッカーが上にも通用することは分かっていた。自分を信じて間とかにパスをつけたりしましたし、前まで運べていた。自分たちのパスサッカーはちゃんと上相手にもできているという手応えはあります」

 もっとも前半のうちに得点を奪い切ることはできず、後半はシステムを変更した鹿児島城西に苦しめられてシュートに持ち込めない時間が続いて0-0で突入したPK戦を制しての勝ち上がり。北監督は「パーフェクトなゲームではもちろんない」と総括し、「前半に点を取って決め切ることで後半はもうちょっと楽に進められると思っている」と課題を認識した上で次の試合に繋げていく姿勢を示した。

 2回戦で戦う帝京高は北監督が1999年に星稜高の選手として出場した選手権で0-2で敗れた相手。指揮官はリベンジを果たすべく意気込みながら「短期間ですけど今日の勝利によってチームは一つグッと上がってもらって持っていければ」とさらに完成度の高いサッカーで臨んでいく構えだ。

(取材・文 加藤直岐)
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