まさにエースの仕事。帝京大可児FW加藤隆成が全国通算10ゴール目の快挙!! 「高岡がいないということは…」得点王&日本一へ好発進
ゲキサカ / 2025年1月1日 14時34分
2人の関係性では象徴的なシーンが後半20分にあった。ペナルティエリア外でボールを持った加藤は、青木が斜め前でフリーになっているなかでも強引にシュートを選択。これは相手のブロックに遭ってカウンター対応を強いられたが、そこで加藤は猛然とプレスバックし、自らがボールを奪い切ると、そこからの攻撃で青木の追加点が生まれていた。
加藤によると、ここでの振る舞いはストライカーとしての意識の賜物だった。「自分がこれだけゴールを狙うということはそれだけミスが増えるということなので、切り替えは常に仲井(正剛)監督から言われていて、自分としてもやらないといけない部分だと思うのでそこは意識している」。シュートへの意識が高いからこそ、より守備にも強く向き合えている部分があるようだ。
またその加藤の姿勢が、青木のライバル意識にも火をつけている。仲井監督はこのシーンの2人の関係性について「加藤はあまり意識していないけど、青木はバリバリ意識していますね(笑)」と振り返りつつ、「加藤がパスしなかった理由は、(日章学園の)高岡くんが(初戦で)3点取っていたので、そっちを意識していたんだと思います」と明かした。
加藤にとって本当のライバルは昨年秋のU-17W杯で大ブレイクし、卒業後にイングランド・サウサンプトンに加入することが決まっている日章学園のFW高岡伶颯。過去2シーズンでは加藤のほうが全国大会で大きな実績を残してきているものの、世界大会の結果や進路の華やかさから最注目ストライカーの座は譲る形となっている相手だ。
もっとも、その高岡はこの試合の裏で行われた2回戦で大会4点目を奪いながらも、無念の敗退。得点王筆頭候補が4ゴールのまま大会を去ることが決まった。
その中で加藤は帝京大可児の名を広く知らしめるためにも、決意を新たにしている。「(青森山田などの)強豪校も負けていて、いろんなチームが満遍なく注目されると思う。自分がFWとしてもっと決めるところをもっと決められれば、数字の部分でも、高岡がいないということはもっと上を目指せると思う。数字にこだわって頑張っていきたい」。日本一のため、得点王のため。大学経由でのプロ入りを狙う帝京大可児の絶対的エースは、全国の戦いを通じてさらに基準を高め、結果を残し続けていくつもりだ。
(取材・文 竹内達也)
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