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長かった創部21年目で悲願の初出場…期待の2年生世代に龍谷富山・濱辺監督「ここはもう目指す場所じゃなく帰ってくる場所」

ゲキサカ / 2025年1月1日 20時12分

 全国の私立高では県外からの選手獲得で強化を進めるチームも目立つ中、地元選手を中心とした地道な選手強化方針を継続してきた龍谷富山。「県外から選手をというのも頭をよぎりましたが、私自身がよそ者なので地域の指導者から認められないとダメだなと思いましたし、外から連れてくれば全国は近かったのかもしれませんが、それをしなかったことにも価値があるのかなと捉えています」。今回のチームの主力選手たちも地元で育ち、絶対王者の富山一高を倒したいという思いを持った選手たちだ。

「現実を考えると、本当に力のある子たちは第一高校さんに行くし、いまはカターレのユースチームもすごく頑張ってやっておられるので、これまで戦力的には難しい、厳しい子たちの集まりではあったけど、富山第一を倒したいという思いを持った子たちが今の3年生に入ってきてくれて、それに引き連れられて2年生も思いを持った子が来てくれた。来年も楽しみなチームです」

 それでも全国大会では力の差、勝負強さの差を突きつけられる形となった。県予選準決勝の富山一高戦では4-1で堂々の大物食いを成し遂げ、全国相手にも通用しそうなクオリティーを見せていたが、全国舞台では緊張感もあってか本来の力を発揮できず。こればかりは経験もモノをいう世界。濱辺監督は奮起を誓った。

「全国大会には辿り着きましたけど、まだまだ力不足を痛感させられましたし、全国というのはこういうところなんだというのを見せてもらった経験をどう次につなげていくかが一番大事なところかなと思います。身体の太さを一つ取っても、同じ3年間を過ごしてきた選手かと思うとまだまだ足りないなと思いますし、富山に持ち帰ってやらなければいけないことかなと思います」

 今回のチームは那覇西戦でチームを救う働きを見せたGK吉田啓剛(2年=富山市立呉羽中)、安定した守備を構築した最終ラインを始め、MF山田凰太(2年=Kurobe FC)、FW宮岸生弥(2年=エヌスタイルU-15)ら力のある2年生が中心。宮林、横山といった大黒柱が抜けることで、新たなリーダーシップの構築が必要とはなるが、来季に期待の持てるチームだ。

 指揮官は次のように意気込む。

「今の2年生がロッカールームで流した涙は本物の涙だと思うので、次につながる財産だなと思います。混じりっけのない本物を経験できたので、ここはもう目指す場所じゃなくて帰ってくる場所だよという話を選手たちにはさせてもらいましたが、経験したからこそ言える言葉があるし、経験した選手だからこそ思える思いがあるし、そこはかけがえのない財産だと思っています」

「紆余曲折いろんな苦労があった1年間の中、3年生が人間的に成長してくれて、それを2年生が見て、いろんな思いがあると思います。こんな3年生になりたいというものもあれば、こうなってはいけないという部分もあったと思うし、その中でも3年生のサッカーに対する思い、チームをなんとかしたい思いは感じていた部分だと思うので、それを伝統として歴史として引き継いで行ってもらいたいです」

 来季は10連覇を阻止された富山一高がチャレンジャーの姿勢で挑んでくるとみられ、共に県4強入りした富山東高、富山北部高にも能力のある選手が在籍。全国での2試合という貴重な経験を積んだ龍谷富山も、まずは県内の戦いでさらなる勝負強さやクオリティーを身につけ、再びここに戻ってくることを目指す。

(取材・文 竹内達也)
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