プレミアEASTを制した旧友たちの活躍も大きな刺激に。「帰ってきた背番号1」東海大相模GK松坂亮、躍動中!
ゲキサカ / 2025年1月3日 11時25分
終わってみれば、スコアは3-0の快勝。「守備から作ったリズムで後半は良い流れになってきて、センターバックの塩田や石井を中心に守り切ることができました」。試合後は堅陣を築いたDF塩田航央(2年)とDF石井龍翔(2年)の2年生センターバックコンビと、笑顔で完封勝利を喜んだ。
今シーズンのチームはインターハイでも全国16強を経験しているが、松坂に出場機会は訪れなかった。「インターハイ前までは自分が出ていたんですけど、リーグ戦で自分のミスで失点してしまって、そこから代えられることになりました」。自分も立つはずだった全国のピッチで躍動するチームメイトの姿が、ただただ眩しかった。
「そのころは『安定感がなかったな』と自分でも思っていたので、安定感を出しつつ、自分の武器も出すことを意識して、練習していました」。得意なキックの精度も磨きつつ、ディフェンスラインの背後もカバーできる守備範囲の広さにも目を向け、必死にアピールを続けていく。
ポジションを奪い返して臨んだ選手権県予選。優勝候補の日大藤沢高と対峙した準決勝はPK戦にもつれ込むと、松坂は相手のキックを2本ストップして、勝利に貢献。チームも勢いそのままに初の全国切符を手繰り寄せる。
「インターハイはベンチから見ていて、『自分が出ていたらな』とずっと思っていたので、自分のプレーが安定してきたことでやっとスタメンに戻ることができて、嬉しい気持ちでいっぱいでした」。試合に出られることは決して当たり前ではない。ベンチに座るチームメイトの想いも背負って、晴れ舞台のゴールマウスに立ち続けている。
中学時代は横浜FCジュニアユースに所属。2024年シーズンのプレミアリーグEASTを制した横浜FCユースには、かつてのチームメイトたちが多数在籍しており、彼らが成し遂げた結果も小さくない刺激になっているという。
「自分は中3の夏まで身長が170センチぐらいで、ユースに上がるか上がれないかの面談でも、身長のことを言われて上がることができなかったので、『自分がユースに上がっていたらどうなっていたんだろう』ということを考えたこともあるんですけど、それを糧にこの選手権も頑張ろうと思っていたので、かなり刺激になりました」。
今では身長も181センチまで伸び、ハイボールの処理も1つの武器になっている。以前とは違う自分を見せるうえで、注目度の高いこの選手権は格好のステージ。次の関門を潜り抜ければ、その先に待っているのは国立競技場。勝ち進めば勝ち進むほど、成長の証をより多くの人たちに披露することができる。
「選手権はこれだけの応援の人が見に来てくれるので、自分の良いところも見てもらえるなと思っています。自分はいろいろな人に見られても緊張しないタイプですし、もう選手権の雰囲気にも慣れたので、『次も楽しもう』という気持ちが大きいです」。
チームが紡ぐさらなる歴史の1ページは、『帰ってきた背番号1』が力強く書き記す。チームを代表して試合に出ることの意味を誰よりもよく知る、東海大相模の正守護神。待ちに待った選手権の舞台で松坂亮、躍動中。
(取材・文 土屋雅史)
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