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今季トップチーム初スタメンの左SBが3得点に絡むハイパフォーマンス!流通経済大柏DF渡邊和之が全国の舞台で証明した努力の価値

ゲキサカ / 2025年1月4日 21時31分

 だが、今年に入ると、左サイドバックには攻撃により強みを持つFW堀川由幹(3年)が起用されるようになり、渡邊の名前はメンバーリストから消えていく。「ポジションもサイドハーフに変わったりしたんですけど、自分の型になかなかハマらなくて、そこでも結果があまり出せなかったですね」。

 10月に入ってようやくプレミアで初出場を果たしたものの、選手権予選が始まる直前に今度は足首の捻挫に見舞われて戦線離脱。運にも見放される格好で、なかなか思うような時間を過ごせない日々が続く。
 
 だが、指揮官はちゃんとわかっていた。「少し宮里が足に張りがある感じだということで、渡邊はここまでずっと頑張ってきて、ずっと気持ちも切らさずにやってきていて、『どこかで使えるチャンスがあるんじゃないかな』と思っていたので、今日がその時かなと思いました」。この日のスタメン起用の理由を、榎本雅大監督はそう明かす。

「やっぱりメンタルの部分が一番難しくて、下級生のころは試合に出ていたのに、3年になって出れないというところで、正直落ち込んだんですけど、逆にそこで一番成長できたというか、その挫折があったからこそ、メンタル面も成長できたのかなという捉え方を今はしています」。諦めなかった。必ず自分が必要とされる日が来ると信じて、日常の努力を怠らなかった。その先でとうとう手にした今季初スタメン。やらない理由なんて、あるはずがない。


 37分。左サイドでMF亀田歩夢(3年)からパスを受けると、すぐさま中央を窺う。「相手の平均身長が低いのは昨日から共有していて、『クロスからの得点が大事だ』という話もあったので、それは自分の特徴ですし、それを出せば絶対に点が入ると思っていました」。渡邊の正確なクロスを、ファーでFW粕谷悠(3年)が折り返し、ここも山野が頭でゴールへ押し込む。

 後半28分。右サイドのコーナーエリアへ向かっていく時から、狙いはハッキリしていた。「相手のキーパーの身長もそんなに大きくなかったので、全体的にニアで合わせようというチームの狙いがありました」。渡邊がニアに蹴り込んだCKを、DF奈須琉世(3年)がヘディングでゴールネットへ叩き込む。

 試合は8-0で大勝。「渡邊は落ち着いていましたね。やっぱり準備の差というか、彼は非常に大人なので、いつ出しても準備ができているという答えを、ここで出したんじゃないかなと思います」。2アシストを含む3得点に絡んだ左サイドバックに対して、指揮官も賛辞を惜しまない。渡邊がコツコツと積み重ねてきた努力は、何より自分自身を裏切らなかったということだろう。

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