全中はコロナで前日出場辞退…「高校では全国に」中体連から堀越進学で悲願を叶えたGK佐藤晴翔
ゲキサカ / 2025年1月6日 23時47分
[1.4 選手権準々決勝 前橋育英高 1-0 堀越高 フクアリ]
ビッグセーブが飛び出したのは後半11分、堀越高(東京A)のGK佐藤晴翔(3年)はDF久保遥夢(2年)に許したループ気味のヘッドを右手に当ててかき出す。前橋育英の猛攻を受けながらも、ゴールにカギをかけ続けた。
しかし後半15分、MF黒沢佑晟(3年)のシュートがクロスバーに当たって跳ね返ったボールをFWオノノジュ慶吏(3年)に押し込まれる。先制のゴールネットを揺らされると、これが決勝点になって0-1で敗戦。ただ堀越の守護神は、「練習試合でも格上のチームとやっていたけど、その上をさらに超えてきた」と素直に完敗を認めていた。
ビッグセーブをみせた佐藤(写真協力『高校サッカー年鑑』)
全国大会に出たいという悲願が叶った大会になった。佐藤は埼玉県にある新座市立第二中学校出身で、中3時には全国中学校サッカー大会への出場権を獲得。しかし新型コロナウイルスの感染に過敏な時期で、1回戦の前日にチームメイトが発症したことで、無念の出場辞退となっていた。
やるせない思いを高校年代で晴らしたい。そんな佐藤の目に飛び込んだのが、テレビでみた堀越高校が高校選手権を戦う姿だった。「第100回大会に出ていたチームをみて、一番全国を狙える学校だと思った」。中学のチームメイトが地元の西武台高や浦和南高に進学する中で、ただ一人、都内の高校への挑戦を決めた。
しかし最初はレベルの高さに戸惑うことも多かったという。「周りはクラブチーム出身の選手ばかりで緊張したし、1年生の時は上手な選手についていけなくて苦労もした。でも先輩が本当に優しくて、細かいところまで技術を教えてくれました」。2年生だった昨年はベンチメンバーとして選手権ベスト4を体感した。
だが「全国に出る」という悲願は叶えられていないままだった。レギュラーを掴んだ最終学年、春先に勝てない試合が続き、インターハイ予選でも早々に敗退が決まった。また全国に出れないのか。それでも最後の高校選手権、都大会決勝に進んだ堀越は、実践学園高との延長戦に及んだ死闘を制して、2年連続6回目の全国大会出場を決めた。
(写真協力『高校サッカー年鑑』)
そして結果的に全国大会は3試合でゴールマウスを守った。「全国大会に出られるとなって、いろんな人から、中学のチームメイトからも連絡がきた。みんなの想いも伝わっていた。個人的には去年立てなかった国立のピッチに立ちたかったし、無失点は初戦しかできなかったので、そこは悔しいですが、今日もセービングとかは死ぬ気で戦って、飛んで、ゴールを守れたと思います」。
卒業後は大東文化大学への進学を予定。サッカーも続けるつもりだという。「中学の時の全国大会辞退が悔しすぎて、高校では自分たちの代で全国に行きたいと思って堀越に来た。今日負けてしまったけど、全力は出せたと思います。大学でも2、3年生でスタメンを取れるように頑張りたい」。正真正銘の全国大会出場歴を掴んだ誇りを胸に、今後のサッカー人生を歩んでいく。
(取材・文 児玉幸洋)
●第103回全国高校サッカー選手権特集▶部活生の足元を支える新素材!カンガルーレザーからSILKYWRAPへ
外部リンク
- 『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:頑張っていない人なんていない(堀越高・森章博)
- 選手権では2大会、全8試合にスタメン出場の堀越が誇る羅針盤。MF渡辺隼大が持ち続けた「出ていない選手の分まで戦う責任と覚悟」
- 夏まではBチームのキャプテンを務めていたCBの躍動!「今までほとんどのカテゴリーを経験してきた」前橋育英DF鈴木陽は仲間の想いを背負って国立のピッチに立つ!
- 前橋育英MF石井陽主将は「凄く憧れの代」に近づく1勝。安易に「日本一」と発するのではなく、優勝するための行動、プレーを「表現しないといけない」
- 「運でここまで来たんだろ」心無い声を力に…「それを見返したかった」堀越は昨年越えならずも今年はベスト8
この記事に関連するニュース
-
選手権では2大会、全8試合にスタメン出場の堀越が誇る羅針盤。MF渡辺隼大が持ち続けた「出ていない選手の分まで戦う責任と覚悟」
ゲキサカ / 2025年1月6日 8時5分
-
前橋育英FWオノノジュ慶吏が決勝ゴールとなる今大会4点目「本当に嬉しかった」(18枚)
ゲキサカ / 2025年1月5日 17時50分
-
【高校サッカー】前橋育英が7大会ぶりの国立へ 優勝した96回大会以来のべスト4 オノノジュが今大会4ゴール目
日テレNEWS NNN / 2025年1月4日 16時7分
-
前橋育英が7大会ぶりベスト4! オノノジュ慶吏の今大会4点目で逃げ切り堀越との激闘制す【全国高校サッカー選手権大会】
超ワールドサッカー / 2025年1月4日 15時51分
-
前橋育英が優勝大会以来7年ぶりの準決勝進出!! 前回ベスト4・堀越は8強敗退に
ゲキサカ / 2025年1月4日 15時45分
ランキング
-
1国内無双のダート王者は部門賞“無冠” 特別賞受賞にネット賛否「納得感がある」「心底ガッカリ」「3歳ダートにも部門賞を」
スポーツ報知 / 2025年1月7日 16時36分
-
2【ロッテ】メルセデスが退団 台湾プロ野球「統一ライオンズ」入りと現地メディア報道
スポーツ報知 / 2025年1月7日 23時5分
-
3史上3人目ハワイ連勝目指す松山英樹がソニーOP優勝候補筆頭 米ツアー公式サイトのパワーランク1位に
スポニチアネックス / 2025年1月7日 15時49分
-
4「バサマさんの次を取ります」巨人・京本真がポジティブ思考で新人王宣言
スポーツ報知 / 2025年1月8日 5時20分
-
5「誰もがヒヤッとした」松山英樹“最大の危機” 衝撃「-35」Vに繋がったワンシーンにX称賛「神」
THE ANSWER / 2025年1月7日 21時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください