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満身創痍で戦った堀越DF森奏、8強敗退で涙の誓い「この悔しさを忘れないで高校サッカーを終わりたい」

ゲキサカ / 2025年1月7日 16時57分

DF森奏(3年)

[1.4 選手権準々決勝 前橋育英高 1-0 堀越高 フクアリ]

 2年連続の4強入りを目指した堀越高(東京A)は準々決勝敗退に終わった。試合後、DF森奏(3年)は松葉杖姿で取材エリアに姿を現して悔しい思いを口にした。

 勝てば2年連続で国立競技場にたどり着く一戦で、森にまさかの事態が発生した。前半のセットプレーで左足首を負傷。強い痛みを感じたが、森は「最後の試合になる可能性もあったし、自分の夢の舞台でプレーできていたし、『あと1個で国立』という去年立ったピッチに帰りたいという思いが強くて、自分が引っ張っていかないといけない存在だったので痛くてもチームのためにやろうと思っていたんです」。強い意思のもとでプレー続行を決断した。

 ただ後半15分、相手のロングフィードをカットするもトラップが大きくなったところを相手に奪われてカウンターを受けると、その流れから決勝点となるゴールを許した。森は溢れてくる涙とともに「自分のミスでチームのみんなに迷惑をかけて失点してしまって本当に不甲斐ないし、自分のせいで今日負けた」と反省するしかなかった。

 試合終盤には前線で起用されたが、「足が痛すぎて思うように全然動けなくて…」と森。前半の負傷の影響は強く、同点ゴールに繋がるプレーはできずタイムアップの笛を聞いた。

「今年1年チームに強い要求だったり、自己中心的な発言だったりもいっぱいしてきたんですけど、みんながついてきてくれてた。だからこそ自分が(前に)上がってミスを取り返したかったし、得点を取って最悪でもPK戦までもつれ込ませたかった。あと1個で国立だったんですけど、そこに連れて行くことができなくて全部自分の力不足でした」

 そう俯いた森だが、前回大会は堀越史上初の4強入りに貢献してU-17日本高校選抜に選出され、今大会は準々決勝まで勝ち残るという高校年代屈指の好成績を収めてきた。森自身も「2年連続でここまで来るのは本当に簡単なことじゃない」と話しながら、最高の舞台に立ったことで感じた大きな悔しさを次の舞台にぶつける構えだ。

「これだけいっぱい観客が入って応援もいっぱいしてくれた。だから自分が応援に応えたかったというのはあったんですけど、応えることはできなかった。この悔しさをどこでぶつけるかといったら今後の人生、今後の大学サッカー生活にぶつけるしかないと思うので人一倍努力したいし、この悔しさを忘れないで高校サッカーを終わりたいです」

 森は関東大学リーグ1部の中央大に進む予定。選手主体で戦術などを決める堀越の「ボトムアップ方式」のもと、様々な状況を経験して培ってきた思考力は誰にも負けない自信がある。堀越で学んだこと、全国大会で勝ち進んだから得られた経験はすべて次のステップに進む上での財産だ。

「努力して一回りも二回りも大きくなった姿を、自分を応援してくれる人やずっと支えてくれた保護者に見せたい。チームメイトともバラバラになっちゃうので、自分が輝いている姿をメディアだったりを通して見せたい」。森は目を腫らしながら、新たな舞台に向けて力強く誓った。

(取材・文 加藤直岐)
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