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家族、チームメイト、旧友へ捧げる感謝の高校ラストゲームへ。前橋育英MF黒沢佑晟は国立決勝の主役を虎視眈々と狙う!

ゲキサカ / 2025年1月12日 7時39分

 献身的なプレーを貫いた黒沢は、後半43分にMF平良晟也(2年)と交代。勝利の瞬間はベンチで迎える。「やっぱり『国立はなんか違うな』って。見ている人も多かったですし、楽しかったです。でも、シュートを打てなかったですし、運動量もちょっと少なかったので、もっとコンディションを上げていきたいなと思っています」。自分はもっとできるはず。最後の大舞台に向けて、改めて気を引き締める。


 昨年度は選手権でも2試合でピッチに立つなど、コンスタントに出場機会を得ていただけに、最高学年となった今季に懸ける想いは強かったが、シーズン序盤は白井の台頭もあって、基本はベンチスタート。「自分は何も結果を残せていなくて、『本当にこれでいいのか……』と思っていました」と振り返ったように、苦しい時間を強いられる。

 だが、プレミアリーグEAST第6節の流通経済大柏高戦で初スタメンを飾ると、以降はほとんどの公式戦で先発起用。攻守にハードワークしながら、得意のドリブルで生み出す推進力は、チームにとっても欠かせないパーツとして、大事なウエイトを占めていく。

 昨年末には忘れられない“再会”があった。今大会の初戦で当たった米子北高(鳥取)には、中学の3年間を過ごした前橋FC時代のチームメイトが複数在籍。ピッチ上ではMF柴野惺やFW鈴木颯人と対峙した中で、黒沢はメンバー外の旧友から勝利を収めた試合後にエールを送られたという。

「小林(彪雅)とは小学校からトレセンで一緒で、前橋FCの時も一緒に送迎してもらっていたので、試合後に少し話した時に『オマエ、上手いな』と言ってくれて(笑)、『頑張れ』とも言ってくれたので、小林のためにもいいプレーを見せたいと思っています」。1つ1つ勝ち上がるたびに、いろいろな人たちの想いを感じてきた。

「ちょっとパフォーマンスはいいなと感じています」と口にした通り、今大会の出来は総じて悪くない。2回戦の愛工大名電高(愛知)戦では豪快なゴールも記録。準々決勝の堀越高(東京A)戦でも両チーム最多となる5本のシュートを放つなど、積極的にフィニッシュへと関わるシーンを作り出しているが、一方でなかなか“2点目”が付いてこない。

「堀越戦はチームで一番シュートを打っていて、自分でも驚きだったんですけど、そういうところで決め切れないと上には行けないなというのは実感しています。シュートをできる位置にポジションは取れていますし、そこまで行くに当たってのプレーは良い部分を出せているのかなと思うので、あとは決めたいですね」。

 次は正真正銘、高校最後の1試合。やらない理由なんて、ない。「本当にインハイ予選に負けた時は悔しくて、その後のリーグ戦も『勝てるのかな……』と思っていたんですけど、リーグ戦も最後は上位の方に行けましたし、選手権もここまで来られるとは思わなかったので、思っていなかったからこそ、『オレらはここまでできるんだぞ』ということを証明したいですし、親やチームメイトに活躍している姿を見せたいなと思っています」。

 ゴールへの渇望感は、かつてないほどに高まっている。国立競技場。全国決勝。日本一まであと1勝。舞台は整った。陰になり日向になり、タイガー軍団を支えてきた心優しきアタッカー。黒沢佑晟は聖地で主役の座に就くチャンスを、虎視眈々と狙っている。



(取材・文 土屋雅史)
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