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チームを最前線から照らし続けた「タイガー軍団のライトハウス」。前橋育英FW佐藤耕太が国立で示した3年間の確かな成長

ゲキサカ / 2025年1月14日 7時35分

 10人目までもつれ込んだPK戦は、GK藤原優希(3年)が止め、MF柴野快仁(2年)が決めて、決着が付く。「足は痛かったですけど、本当に嬉しくて、嬉しくて、そんなのは忘れて飛び出していました。まだ実感があまりない感じです。『アレは夢だったのかな?』って(笑)」。日本一の景色は、とにかく最高だった。



 佐藤にとって今大会のハイライトは、間違いなく準決勝の東福岡高(福岡)戦だ。1点ビハインドで迎えた後半3分。相手DFにプレッシャーを掛け、かっさらったボールをゴールにねじ込み、同点弾を挙げてみせると、その6分後にはオノノジュからのパスを巧みに収め、美しい軌道を描くシュートで逆転ゴールまで奪ってしまう。

 実は準決勝の前日練習で、佐藤はこんなことを話していた。「今大会ではファーストタッチのミスがあって、そこでシュートを打ち切れていないところもあるので、そういうちょっとしたところを修正したいと思っています」。

 ファーストタッチが完璧に決まった一撃に、「とにかく力を抜いていたというか、肩に力が入っていなかったので、良い感じでトラップとシュートに持っていけたと思います。修正できて良かったですね。あんなの、初めて決めましたよ」と笑顔を浮かべる。この2シーズンで積み重ねてきたものが、国立での2ゴールには過不足なく詰まっていた。

「去年の選手権は緊張で何もできなかった部分があったので、そういった意味で成長を感じられる大会だったのかなと思いますね。3回戦ぐらいまでは少し緊張して、硬い部分もあったんですけど、試合を重ねるごとに、1試合1試合楽しんでやれるようになったので、そういったところでも成長できたかなと思っています」。6試合を戦い抜いた高校最後の大会で、自信を深めたことは想像に難くない。

 卒業後は高校の先輩に当たる2人のストライカー、守屋練太郎や山本颯太も進学している神奈川大で、さらなる研鑽を積むことになる佐藤が強く意識するのは、一足先にプロ入りを果たすことになった、小学生時代からの“盟友”の存在だ。

「トシとはジュニアのころからずっと一緒にやってきたので、トップに昇格したのは嬉しいですけど、トシがそういうステージに行くなら、自分もちゃんとプロの世界に行きたいなと思うところはあります。身近にいい目標がいるので、そこは意識しますね」。

 佐藤とは浦和レッズジュニアとジュニアユース時代のチームメイトだった“トシ”こと照内利和は、ユースからのトップチーム昇格を勝ち獲り、今年からJリーガーとしてのキャリアを歩み出す。いつかは追い付き、追い越すためにも、次の4年間で今まで以上の努力を積み上げてみせる。

 この2年のタイガー軍団を一番前から明るく照らし続け、全国の頂へとたどりついた努力のストライカー。“サトコウ”は国立でのゴラッソを超える結果を追い求め、新たな大学サッカーの世界へと飛び込んでいく。



(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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