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PK戦一人目成功の前橋育英FW中村太一、松本果成との“夢の対決”実現せずも…春からは看護師になる次なる夢を追う

ゲキサカ / 2025年1月14日 23時27分

PKを一人目の成功させたFW中村太一

[1.13 選手権決勝 前橋育英1-1(PK9-8)流経大柏 国立]

 まさか一番手PKキッカーに指名されるとは思っていなかった。「ボードをみせられて、『太一、1番だ』と言われて…。どういう順番か分からないですけど」。名前を呼ばれたFW中村太一(3年)は戸惑いがあったことを素直に明かした。

 山田耕介監督によると、キッカーの順番は「調子のいい順」だったという。「順番は私が決めるが、試合で調子がいい選手が蹴る。あとは自分の感覚で」。そこで“一番調子がいい”と判断されたのが、中村だったようだ。

 そして中村自身、PKの一人目が重要であることを十分に理解して気持ちを切り替えていた。2回戦の愛工大名電高戦でもPK戦を戦った前橋育英高(群馬)だが、一人目で蹴ったMF石井陽(3年)が失敗。何とか逆転で勝ち上がりを決めたが、チームを勢いづけるためにも、成功させたい思いを強くしていた。

 PK戦ではど真ん中に豪快に蹴り込んでみせた。「監督から一番手の指名を受けて。でも緊張もせずに思い切り蹴れたことは自分でも評価していいかなと思います」。チームは10人目までもつれたPK戦を制して、7年ぶり2度目の選手権制覇を果たした。

 試合前に残念なニュースが飛び込んできた。流通経済大柏高のFW松本果成(3年)が怪我のためにベンチ入りを外れることが分かった。中村と松本は中学時代に同じ上州FC高崎に所属。「お互い流経と育英に行った時から全国の決勝で会おう」(松本)と誓い合って高校サッカーに進んでいた。

 ピッチ上で交わる夢の実現とはならなかったが、決勝の会場で顔を合わせたことに変わりはない。「ハーフタイムにちょっと会話をしました。怪我をして出れないという話しかしていないですが」。この日の出来事の一つひとつがかけがえのない思い出になった。

 次は将来の夢に向けた人生が始まる。春からは上武大学の看護科に入学して、看護師を目指すことになるという。「自分家は二世帯(住宅)で、おじいちゃんとおばあちゃんの世話をしていた。そういうところでおじいちゃんおばあちゃんの世話をするのが好き。あとは人の役に立ちたいというところです」。

 サッカーは続けるつもりだが、実習などの関係から2年間だけになる予定。「自分の性格も考えて看護師になろうと思います」。キラリと光る高校選手権優勝のメダルを首から下げた今も、将来に対する考えに揺るぎはないようだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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