110分間疾走に創意工夫の“クイックPK”も流経大柏MF稲田斗毅の悔い「あそこで自分が戻っていたら…」大学経由でブンデス入りの目標叶える
ゲキサカ / 2025年1月14日 21時18分
[1.13 選手権決勝 前橋育英高 1-1(PK9-8) 流通経済大柏高 国立]
延長戦を含めた110分間を鬼気迫る表情で走り抜き、苦手だったPK戦も“創意工夫”で乗り越えた流通経済大柏高MF稲田斗毅(3年=FC KASUKABE U-15)だったが、勝利の女神は微笑まなかった。
ダブルボランチの一角でボール奪取、セカンドボール回収に奔走し、確かな存在感を示したが、悔いを残したのは1-0で迎えた前半31分の失点シーン。「どんなに走っていても勝たないと何の意味もない。あの1点もボランチに決められたので、あそこで自分が戻っていたら……。大事なところで走らないと意味がない。悔しいという言葉しか浮かばない」。涙を流した試合後、取材エリアでは自身の不甲斐なさを厳しい目線で語った。
「気合いは入っていたけど、思うように身体が動かずに重い部分があった。そこでもっとセカンドボールの回収ができていればチームが楽になっていたと思う。この前の試合だけで終わってしまった、波があるところが自分の課題。いつもセカンドボールを自分が拾える、それプラス何かができるというふうにならないといけない」
そんな稲田だが、PK戦では6人目のキッカーとして登場し、ボールを置いてすぐにキックを行う“クイックPK”を披露。流通経済大柏の選手は多くが自分の間合いを持ち、GKとの駆け引きを行っていた中、稲田は異色のタイミングによってGKを足止めしていた。
「もともとPK練習ではタメてコースに速いシュートを蹴っていたけど、なかなか決まらなくて、どうしようかなと考えていた時に、鳴ってすぐに蹴る人はいないなと考えてやりました」。自身の苦手意識と向き合い、創意工夫が光ったキックは国立を大きく沸かせたが、PK戦についても「ずっと練習していたのでPKになれば勝てる自信はあったけど、ゴミを一つ拾うとか、細部のところで前育さんのほうがこだわっていたのかなと思う。もっと細部にこだわっていれば試合が変わっていたのかもしれない」と厳しい言葉を口にしていた。
今大会は3回戦で実現した大津高との優勝候補対決で清水内定MF嶋本悠大を封じるなど、対人デュエルで高い能力を示した一方、その一戦のイエローカードによる累積警告を避ける狙いもあってか、準決勝・東海大相模戦で先発落ちを強いられ、悔しい立場も経験してきた稲田。この無念は大学サッカー生活で晴らしていくしかない。
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