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プレミア王者を最後尾から支えた礼儀正しき2年生守護神。大津GK村上葵が実感してきた豊かな人間性と信頼を勝ち獲ることの価値

ゲキサカ / 2025年1月27日 7時55分

 2年生の村上はプレミア王者に輝いた大津で、WESTのリーグ戦14試合に出場。とりわけ開幕戦のヴィッセル神戸U-18戦では、同点で迎えた後半のアディショナルタイムに相手のPKをストップして、勝点1の獲得に大きく貢献。「周りからも『あの試合の引き分けは大きかった』と言われたりしましたね」と本人も言及するように、印象的なパフォーマンスを披露した。

 激しいポジション争いを繰り広げていたのは、1学年上のGK坊野雄大(3年)。特徴も性格もまったく異なる2人だが、村上は日常から少なくない時間を共有することで、いろいろなことを学ぶ機会を得られたという。

「スタメン争いをしている2人だから仲が悪いということもなくて、先輩後輩はちゃんとしながら、坊野さんは相当明るいので、楽しくもできますし、イジったりもできますからね。それこそ坊野さんの良さが自分の苦手な部分でもあって、そういったところは聞いたんですけど、『そんなの気合だよ』『感覚かな』とか言ってくるタイプなので(笑)、アドバイスをもらうというよりは、本当に2人で切磋琢磨しながら練習を盛り上げられましたし、凄く良い関係性を築けたなと思っています」。

 ただ、日本一を懸けてEAST王者の横浜FCユースと激突したプレミアリーグファイナルや、高校選手権の3試合でゴールマウスに立ったのは、いずれも坊野。村上は悔しい想いを抱えつつも、一方でその起用に納得する部分もあったようだ。

「プレミアのファイナルも、選手権の全国大会も、使われたのは坊野さんで、最後にああやって山城(朋大)先生や平岡(和徳)先生が坊野さんを選ぶことも、あの性格や3年生からの信頼感を見ているとわかる気がしました。自分も悔しかったですし、もちろん試合に出たかったですけど、坊野さんも『自分のために』ということを言ってくれた記事も見たので、坊野さんだから応援できますし、納得できるところもありましたね」。

 身近なライバルであり、確かな絆を築いた1つ上の先輩から学んだことを生かすための新たなシーズンのスタートは、もうすぐそこまで迫っている。

 合宿中に気付いたことがあった。誰かと少しすれ違う時でも、村上はその人の方を向いて、しっかりと頭を下げながら挨拶をするのだ。その理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「大津高校に来る前から、中学校がしっかり挨拶をする学校だったんですけど、挨拶ってメッチャ大事だと思っていて、それが相手の印象やイメージを決めるのかなとも思いますし、挨拶を続けることでお店のレジの人にも『ありがとうございます』と言うことも自然とできるようになってきたんです。キーパーは信頼が大事なポジションなので、そうやって人間性を磨くことで、より信頼を得られればなと思います」。

 清々しい礼儀正しさと、アグレッシブなプレースタイルを兼ね備えた、U-17日本高校選抜の守護神候補。村上葵は今回の選考合宿でも1つずつ仲間からの信頼を積み重ね、確固たる立ち位置を引き寄せるための努力を続けていく。

(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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