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20ゴールを積み重ねたプレミア得点王は思考するストライカー。大津FW山下景司は選手権と高校選抜選考合宿で得た「今の自分に足りないもの」を追求し続ける

ゲキサカ / 2025年1月29日 12時0分

 対戦相手からの警戒度も、周囲から見られるハードルも上がった中で、結果を出すのが本物のストライカー。もともと合わせ持っている成長への強い意欲が、選手権での体験を経てより刺激されたであろうことは、想像に難くない。


 流経大柏戦から約3週間が経ち、招集された日本高校選抜の選考合宿。山下は自分の力を出し切れないもどかしさを感じていた。

「フォワードは8人いるんですけど、全員良い選手ですし、まだ自分の良さは全然出せていないかなと。大津高校でやっていることとやり方も違いますし、周りの選手がどういったプレーをするかもわからないところもあって、自分は特にわかりやすいプレーヤーではないので、ちょっと難しいところはあるかなと思います」。

 2日目は駒澤大(関東大学2部L)、3日目は東京国際大(関東大学1部L)と対峙したトレーニングマッチでも、なかなか良い形でフィニッシュに関わるまでには至らず、「ゴール前のところには入っていけていないので、ちょっとビルドアップに参加するところも頑張ってチャレンジしています」とチームの中で果たすべき役割を探っていく。

 一方でオフ・ザ・ピッチでは、新鮮な発見もあったという。「今回は4人部屋なんですけど、ケリー(オノノジュ慶吏)と粕谷(悠)と森田(晃)が一緒で、みんな1回も喋ったことがなかったんですけど、喋ってみたら凄く人間味があるというか、サッカーをしているところしか見たことがなかったので、『同じ高校生なんだな』と思いましたね(笑)」

「対戦相手で試合をやったことのある選手が、しかも相手にいて嫌だった選手が味方になるのは凄く心強いですし、勉強にもなりますし、この選抜でも最後まで選ばれて、彼らとチームメイトになりたいなと思っています」。少しずつ周囲とのコミュニケーションも深めながら、自分の色を周囲に浸透させることにも懸命に取り組んでいるようだ。


 卒業後には大学屈指のタレントが居並ぶ筑波大へと進学する。フォワード陣には高校の先輩でもある小林俊瑛や、既に大学サッカー界を代表するストライカーとして知られる内野航太郎を筆頭に、強力な選手が揃っているだけに、シビアな競争が待っていることは間違いない。

「今までのサッカー人生の中でも一番レベルの高い、凄く競争の激しいところに行くので、もちろんポジションを取りたい気持ちはありますけど、この3年間は試合に出てきたことでごまかしてきた部分もあったので、焦らずに課題を克服しながら、成長するところにフォーカスしてやっていきたいと思います。1年目に関しては、途中からでもいいのでリーグ戦に出て、得点を決めてチームを勝たせる気持ちでやっていきたいです」。

 世代有数の守備者たちを向こうに回し、プレミアで20ゴールを積み重ねた得点感覚は伊達ではない。自分の核にある『ゴールを奪う』という絶対軸はブラすことなく、さらにプレーの幅を広げて、必ず誰もが認める存在にのし上がってやる。謙虚な向上心と自分を客観視できる思考力を備えたストライカー。山下景司は自らが出し続ける結果で、煌く未来へと続いていく道を切り拓く。



(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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