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入学直後からプレミアで躍動してきた1年生のワンダーボーイ。帝京長岡MF和食陽向はU-17日本高校選抜候補合宿でも左足でのゴラッソで好アピール!

ゲキサカ / 2025年1月29日 20時31分

 最終日に組まれた日本高校選抜とのトレーニングマッチでは、1本目からFW大石脩斗(鹿児島城西高/2年)と縦関係を組む格好で登場。そこでは活躍を収めるまでには至らなかったが、今後も続いていく選抜活動に向けて、好感触を得たことは間違いないだろう。


 中学時代は兵庫のFCフレスカ神戸でプレーしていた和食は、サッカースタイルへの憧れと人間性の向上を志して帝京長岡へと進学すると、プレミアリーグWESTでもいきなり開幕戦でベンチ入りを果たし、第2節の大津高(熊本)戦でリーグデビュー。続く第3節の米子北高(兵庫)戦からはスタメンを確立した上に、第8節の静岡学園高(静岡)戦で初ゴールを記録するなど、着々とステップを踏みながら成長を続けてきた。

「結構最初の方から試合に出させてもらったんですけど、周りは3年生がたくさんいたので助けられた部分もメッチャありました。みんなが『自由にやれ』と言ってくれて、ボールも持たせてくれますし、ボールを持ってもパスコースがあるようなサポートもしてくれて、メッチャやりやすかったです。その中でだんだん『やれるかな』という感じにはなっていきましたね」。

 インターハイでも全国4強を経験し、高校1年目を順調に過ごしていた中で、悔しい現実を味わったのは高校選手権予選。準決勝の新潟明訓高戦はスコアレスで突入した後半アディショナルタイムに失点を喫し、0-1でまさかの敗退。試合終了のホイッスルをピッチで聞いた和食も、その場に呆然と立ち尽くした。

「やっぱり『県予選は難しいな』と感じましたし、『それでもそこで勝っていかないといけないんだな』と思いましたね。選手権はテレビで見ていました。レベルも高くて、強度も高くて、自分もそこでやってみたかったなという想いはあるので、来年は行きたいと思います」。先輩たちが涙を流す姿は、しっかりと脳裏に刻み込んだ。その想いを背負って、また新しい1年間へと向かっていく。


 中学時代のチームメイトの活躍には、小さくない刺激を受けているという。FCフレスカ神戸で切磋琢磨してきたDF元砂晏翔仁ウデンバ(1年)は鹿島アントラーズユースへと進み、プレミアでもゴールを記録するなど、タレントが揃うチームの中で成長中。年代別代表にも既に選ばれているだけに、意識せざるを得ない存在だ。

「いろいろ話を聞いたり、ネットとかで情報を見たりして、凄いなと思いますし、自分もああいうところまで行けるように頑張りたいですね」。とはいえ、普段はシンプルに仲の良い友だち同士。「この間帰省した時にも遊ぼうと思っていたんですけど、タイミングが合わなくて会えなかったので、来年はできれば会いたいです(笑)。メッチャ仲は良いですね」と笑顔で話す表情には、まだあどけない高校生らしさが滲む。

 昨年で積み重ねた経験値を考えれば、期待されるのはチームを牽引するだけの活躍。ただ、そんなことは本人が一番よくわかっている。今シーズンのプレミアでの目標を尋ねると、力強い答えが返ってきた。

「去年はアシストができた部分はあったんですけど、やっぱりゴールというところで悔しい想いもあったので、もっとゴールに直結するプレーをしたいですし、得点が獲れる選手になりたいなと思います。去年のプレミアでは2点だったので、今季は10点獲れたらいいなと思います」。

 いつだって自分の立つ場所が、躍動すべきピッチの中心地。高い技術を備える選手が顔を並べる帝京長岡の中でも、明確な違いを生み出せるウルトラレフティ。ここからもたゆまぬ努力を続ける限り、和食陽向が2025年のプレミアリーグを彩る主役になっても、そこには何の不思議もない。



(取材・文 土屋雅史)
●第103回全国高校サッカー選手権特集

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