始動からトップチームの活動に参加しているファジアーノアカデミーの新たな希望。DF千田遼(岡山U-18)がクラブ史に刻んだ「国立の40分間」の足跡
ゲキサカ / 2025年2月9日 8時7分
結果的に試合は4-1で快勝。本人は「ここからは結果の世界だと思うので、アシストや得点に関わる部分において、オーバーラップでもクロスでも、もっと細かい質のところにこだわっていきたいなと思います」と反省を口にしたものの、40分間の出場で一定のアピールに成功したことは間違いない。
岡山U-18にとってもプレミアリーグ初参戦となった昨シーズンは、千田もしっかりとレギュラーを確保して19試合に出場。最終節のサガン鳥栖U-18戦では1試合2得点を記録するなど、印象的な活躍も見せながら、10位での残留に大きく貢献してみせた。
「最初は強度にも慣れなかったですけど、シーズンの中盤ぐらいから徐々に慣れ出しましたし、1年通してケガなく戦えたことが自分の中では一番大きかったですね。プレミアにはフォワードやウイングに凄い選手がいっぱいいる中で、そういう選手たちと対峙することで自信が付いていきましたし、自分がディフェンスラインを引っ張っていこうと思っていた中で、最後の5試合は負けなしで、そういうことが今の自信に繋がっていると思います」。
1月12日。クラブから1つのリリースが発表される。『ファジアーノ岡山U-18 末宗寛士郎選手、千田遼選手 トップチーム登録(2種)のお知らせ』。その文面に記されていた内容が一際目を引いた。「両選手は、すでに1月9日の初練習からトップチームでの活動に参加しており、シーズン開始から常時トップチームの活動に参加するアカデミー選手は、クラブとして初めてとなります」
キャンプへのスポット参加ではなく、始動からトップチームの活動に参加するというクラブ史上初の試み。千田はプロの選手とトレーニングを重ねる中で、少しずつ見えてきたものがあるという。
「初日からトップチームの選手と一緒にやってみて、いつもとは強度と質も違いますし、プレーのスピードも速くて、最初はなかなか付いていけなかったんですけど、回数を重ねるごとに少しずつは自分のプレーは出せているので、そこはもっと日常のトレーニングからこだわって、常に試合をイメージしてやっていきたいなと思っています」。
中でも昨シーズンのJ1昇格をディフェンスリーダーとして支えた、ベテランセンターバックのプレーや振る舞いからは、小さくない学びを得たようだ。
「センターバックの田上(大地)選手のプレーが印象に残りました。外から見ていたら『自分もできるんじゃないか』という自信があったんですけど、実際にプロの選手と一緒にやってみたら、やっぱり緊張感もありますし、1つのプレーで世界も変わってくる中で、そういう場面でも田上選手が落ち着いて振る舞ったり、身体を投げ出して守る姿に衝撃を受けたというか、改めて凄いなと思いました」。
“スタートライン”には確実に立っている。ここから先は言うまでもなく自分次第。最高学年となる今シーズンはU-18で主力を張り続けることはもちろん、トップチームでの出場機会を得るために定めた決意を、千田は改めてこう口にする。
「ファジアーノのクラブ理念は『子どもたちに夢を』というもので、小学校低学年ぐらいからお父さんにスタジアムに連れて行ってもらっていて、イ・ヨンジェ選手がカッコ良かったのは覚えていますし、憧れていたので、岡山の人たちを岡山出身の自分のプレーで盛り上げられたらなと思っています。トップチームでもスタメンを狙えるように頑張ります」。
J1という新しいフェーズに足を踏み入れるファジアーノに現れた、地元出身の高性能サイドバック。駆け抜ける方向は、いつだって、前へ、前へ。その戦う場所がどこであっても、千田遼が貫くアグレッシブなスタンスは、何ひとつ変わらない。
(取材・文 土屋雅史)
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