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[新人戦]雨野颯真と藤原優希。日本一を味わった“2人の先輩”の後継者候補。前橋育英GK蝦名理音が感じた「試合に出続けること」の意味

ゲキサカ / 2025年2月9日 19時14分

「あそこは自分が藤原(優希)さんを見てきて意識していたところですね。1対1のシュートストップのところで、前に詰めるタイミングを練習してきたので、自分の良さが出たシーンだったと思います」。抜群の飛び出しでコースを消し、相手のシュートを身体でブロック。チームメイトたちも殊勲の守護神へと拍手を送る。

 前半のうちに同点弾を献上し、大会初失点を喫したものの、その6分後にFW四方田泰我(2年)が沈めた勝ち越しゴールがそのまま決勝点に。ファイナルスコアは2-1。「自分の試合の入りはあまり良くなかったですけど、チームがみんなで守ってくれましたし、自分としては課題も残りますけど、1本シュートが来た時にしっかり止められて、自分の良いところを出せた部分もあったので、全体的には良かったかなと思います」。新チームにとっての初タイトルを引き寄せ、試合後には蝦名の表情にも笑顔が広がった。



 真剣勝負をピッチで味わったからこそ、新たな想いも自分の中に湧き上がってくる。「今まではあまり試合に絡めなかったんですけど、こうやって試合に出てみると、キーパーの重要性が改めてわかりましたね。去年の藤原さんだったり、一昨年の雨野さんを見てきたので、もっとチームに貢献できる選手にならないといけないなと思いました」。

 “前任”の藤原優希(3年)はこの冬の高校選手権で、“前々任”の雨野颯真(早稲田大1年)は2年生レギュラーとして挑んだ2022年のインターハイで、それぞれ正守護神として日本一を経験。彼らの大会を通じたパフォーマンスには目を見張るものがあった。

 もちろん蝦名も前橋育英のゴールマウスを任されるのであれば、2人の存在を意識しないわけにはいかない。「雨野さんは人として尊敬できる方で、チームをまとめるところがものすごかったですね。自分はあまりチームに声掛けとかできないタイプなので、そこは学びたいですし、藤原さんは1対1の飛び出しが本当に上手くて、去年はそこをずっと見てきたので、自分も取り入れていきたいなと思いました。技術的な部分は2人に比べてまだまだ足りないので、もっと頑張りたいです」。

 とりわけ選手権の決勝は特別なゲームだった。中学時代をtfaジュニアユースで過ごした蝦名にとって、流通経済大柏高のMF柚木創(3年)とFW山野春太(3年)は直属の先輩。同級生のMF安藤晃希(2年)も交代で国立のピッチに登場しており、その光景をスタンドから見つめていた蝦名は、不思議な感覚に包まれていた。

「一緒にサッカーをしていた人たちが、ああいう舞台で活躍しているのをスタンドから見て、刺激になりましたね。あの中でやるのは本当に緊張すると思いますし、あそこで藤原さんも凄いプレーを見せていたので、やっぱり自分も『あそこに立ちたいな』と思いました」。

 まだシーズンは始まったばかりだが、イメージは確実に膨らんでいる。先輩たちがとにかく輝いて見えたあの舞台に、今度は自分が必ず立つ。日本一のチームとして今シーズンを走り出すタイガー軍団の護り人。蝦名理音は自らが繰り出す圧倒的なセーブで、2025年のチームもみんなで望んだ場所へと導いていく。



(取材・文 土屋雅史)

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