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行列は嫌なのに、行列ができている店に並んでしまうワケ【科学が証明!ストレス解消法】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月24日 9時26分

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他の人がやっていることを自分もしてみたい(C)日刊ゲンダイ

【科学が証明!ストレス解消法】#166

「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」ということわざがあります。一人が普通でない行動をすると、大勢の人が付和雷同して騒ぎが大きくなるたとえのことです。

 身近な例でいえば、行列ができているお店を発見すると、「人気店なんだ。今度行ってみよう!」という具合に人が人を呼ぶ。あるいは、「全米が泣いた! 興行収入○週連続ナンバーワン」などのキャッチフレーズも、千匹の馬を熱狂させる常套手段と言えるかもしれません。

 一方で、渋谷のハロウィーンではないですが、千匹の馬が熱狂した結果、事件にまで発展してしまうケースもあるだけに、群集心理を理解しておくことは、生活のさまざまなシーンで発見をもたらしてくれるはずです。

 心理学の世界では、「同調行動」という言葉があります。他の人がやっていることを自分もしてみたいという欲求が、人間には備わっているといいます。興味深いことに、日本政策金融公庫の「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」(2013年)によると、“低価格であること”をしのぎ、飲食店を選ぶ際の重視点として、約7割が“入店時に時間がかからないこと”を第1位の理由に挙げています。

 行列に並ぶことに対して抵抗がない人は約3割ほどで、ほとんどの人は並ばずに入りたいと考えていることが分かります。ところが、実際には日本各地で至る所に行列ができていますよね。まさしく、「できれば並びたくないけど、人気や話題性を考慮すると自分も体験しておきたい」といった同調行動が働いていることが示唆されているわけです。

「一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う」とは、裏を返せば、一人で考えるときは正確な判断ができるのに、熱狂した集団の中に入ってしまうと、自分も荒れ狂った一匹の馬になってしまうということです。

 また、同調行動は社会が安定していればいるほど一般的な行為になるといわれていて、「行列が大好き」「みなと同じことをしたがる」などの日本人が取りがちな行動の背景には、それだけ私たちが平和な世の中を生きているとも言えるのかもしれません。

 アメリカの経済学者ハーベイ・ライベンシュタインが創作した用語に「バンドワゴン効果」という言葉があります。多くの人たちが同じものを選んでいると、自分も同じものを選びがちになるという心理的用語です。初めて入った飲食店で、お客さんのほとんどがハンバーグを食べていたとしたら、「きっとこのお店はハンバーグが有名なんだろう」と勝手に解釈してしまうのは、バンドワゴン効果が働いているからです。

 人気が出るとますます人気を呼ぶ現象でもあるため、マーケティングやブランディングなどでも重宝されており、冒頭の「全米が泣いた! 興行収入○週連続ナンバーワン」などの触れ込みは、バンドワゴン効果を利用したマーケティングとも言えるわけです。

 トレンドを知ることは大事なこと。しかし、無条件に流されないように。熱狂的になっているときほど、冷静な視点を心がけましょう。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)

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