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ベッド編(1)動作の支点を膝にすれば腰に負担がかからない【誰でもできる力いらずの介助術】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月28日 9時26分

ベッド編(1)動作の支点を膝にすれば腰に負担がかからない【誰でもできる力いらずの介助術】

(写真1)「写真と動画でわかる!埼玉医大式力がいらない介助技術大全」(講談社)

【誰でもできる力いらずの介助術】

 力任せの介護で腰を痛める人は少なくない。ベッドに横になっている相手を介護する際、介助者は前かがみの姿勢になるが、何度も繰り返していると椎間板や脊柱起立筋、大臀筋などさまざまな筋肉に負担がかかり、痛みが生じやすい。

「前かがみなどの動作の支点が腰に集中する姿勢では、ぎっくり腰だけでなく椎間板ヘルニアや座骨神経痛といった治療が必要な慢性腰痛につながるリスクがあります。根津式介護技術ではベッド上での介助を行う際、支点を膝に変えて腰にかかる負担を軽減させます」

 こう話すのは、力がいらない根津式介護技術を開発した根津良幸氏だ。介護度が低い相手を、食事などの際に起こしてベッド上に座らせる方法を紹介する。

①介助者は相手側に体を向けた状態で立つ②相手の胸のあたりに自分の膝(枕に近い方)を立てる③親指、中指、薬指で輪をつくって相手の両手首を取り、両腕を肩の位置まで引き上げたら、両腕を交差させて胸の位置に下ろす(写真1)④介助者は両手を離して相手の膝の位置に移動し、相手の膝のあたりに先ほどと同側の膝をつき直す⑤中指と薬指を曲げて相手の膝下に差し入れ、片足ずつ膝を曲げて立てる。

よろけても抱きかかえない

⑥介助者は再び移動して相手の胸のあたりに片膝をつき直し、奥側の肩を膝とは反対側の腕で手前に引き寄せる。(写真2)

「⑦介助者は手のひらを下向きにした状態で空いている方の腕を相手の首とシーツの隙間に差し入れ、親指が上になるようクルッと腕を回転させます。その際、手首は曲げず五指をピンと張ってください⑧空いている方の手を相手の奥側の膝に添えそのまま膝をベッドの下に下ろしながら上半身を起こして座らせます」

 長時間、横になっていた人がいきなり座り姿勢になると、めまいを起こしてふらつき、前後左右に倒れるリスクがある。姿勢に慣れるためにも、座った直後は介助者が支える必要がある。

 ①介助者はベッドに座っている相手の正面に立ち、相手の両足を閉じる②相手の両腕を前で交差させ、相手の両膝を自分の両膝で挟んで固定する③相手の肩に両手首を乗せ、手首から先を下に垂らして中指と薬指で肩甲骨の内側に軽く触れ、手前にほんの少し相手を引き寄せて体勢を安定させる。

「体がよろけると、つい相手を抱きかかえたくなりますが、それでは介助者が腰を痛めるだけでなく、体勢が不安定になって両者とも倒れる危険があります。腰の負担を減らすためにも、介助する際は優しく触れることを意識してください」 (つづく)=■詳しくはYouTubeチャンネル「根津式介護技術」で

(根津良幸/埼玉医科大学客員教授)

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