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「高齢化社会に最も影響を与えるリーダー」に選出され何を思ったか【正解のリハビリ、最善の介護】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月29日 9時26分

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ねりま健育会病院院長の酒向正春氏(本人提供)

【正解のリハビリ、最善の介護】#30

 驚くことが起こるものです。エイジング・アジアというシンガポール経済連盟の団体から、「高齢化社会に最も影響を与えるリーダー」のアジアトップ10に選出され、5月初旬にシンガポールで表彰されたのです。

 そのため、5月6日から10日までシンガポールのマリーナベイサンズの国際会議場で開催された「第12回アジア・パシフィック・エルダーケア・イノベーション・アワード2024」と「第15回ワールド・エイジング・フェスティバル」に参加しました。

 選出の理由は3つありました。1つ目は「攻めのリハビリテーション治療」を広めたことです。これまでお話ししてきたように、患者さんが来院された当日から「座らせる」「立たせる」「歩かせる」「コミュニケートする」を繰り返すことで、人間力を回復させていく。それが攻めのリハビリです。2013年にはNHK「プロフェッショナル~仕事の流儀」の第200回で、「希望のリハビリ、ともに闘い抜く」として特集されました。

 2つ目は2014年に国土交通省で「健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン」を6年間かけて策定して、山手通り整備事業、二子玉川大規模開発、富山市コンパクトシティー、練馬健康医療福祉都市構想などで街づくりを促進したことです。

 3つ目は大泉学園複合施設の「ねりま健育会病院」と「ライフサポートねりま」で、回復期から看取り期までのリハビリ治療連携体制を確立したことが評価されました。

 そうしたことから、「医療、地域社会ケア、都市インフラを融合する攻めのリハビリテーションモデル」とのタイトルで基調講演を依頼されました。講演では、これまで取り組んできた攻めのリハビリ治療で人間力を回復する過程と、自宅退院後の地域への社会参加を継続支援する取り組みから老健での看取り対応までについて、さらに、政府・自治体・企業と連携した都市インフラ開発による社会参加環境と社会参加支援体制の整備で、超高齢社会の新しいコミュニティーを創造するアプローチに関してお話ししました。

■アジア各国の熱意に驚いた

 特別講演の後は、パネルディスカッションに参加を求められ、アジアの有識者の方々と、「2030年の高齢化の未来を形作る健康長寿トレンドの変革」について意見交換を行い、自立した高齢者を介護状態にさせない政策の必要性を共有しました。世界の有識者の多くが「高齢化社会について日本から学びたい」という熱意を持っていることに驚きました。

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