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しつこい腰痛が復活…脊柱管狭窄症で手術を勧められたが抵抗がある

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月29日 9時26分

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腰痛が復活も手術には抵抗が…

【ひどい腰痛も8割治る】#17

「10代の頃に椎間板ヘルニアで入院した経験があります。その後痛くなるたびに整形外科で神経根ブロック注射をやってもらっていてそれで特に問題なくやってこられたんですが……」

 と我々のクリニックを訪ねて来られたのは66歳の男性の方でした。半年ほど前から、しつこい腰痛が復活。朝起きてベッドから立って動き出そうとするとき、また洗顔や入浴で前かがみになるときなどに、腰に痛みが走る。脳神経外科の友人の見立てでは脊柱管狭窄症で、手術を勧められたものの、どうも抵抗があるといいます。

 神経根ブロック注射とは、炎症のある神経根(脊髄神経の根元の部分)やその周囲に局所麻酔薬などの注射を打ち、痛みを伝達する神経の機能を遮断(ブロック)し、痛みを軽くする治療法です。神経を落ち着かせることで血管や筋肉の緊張がほどけると血流が改善するので、患部の自然治癒力が高まるなどの効果も期待できます。

 ただ、神経根ブロック注射は目的にもよりますが、複数回実施するのが一般的。しかし、何度でもできるかというとそうではなく、実際は数回が限度です。痛みの原因である神経根に繰り返し注射をすると、神経根自体が注射で損傷を受けてしまう危険があるためです。また、マヒの程度が強い場合、注射でマヒが一層悪くなることもあります。

 男性によくよく話を伺うと、痛みの程度は日によってバラバラ。強い日もあれば、そうでもない日もある。診察時に前屈をしてもらったのですが、「10日前は左臀部から足先までがすごく痛かったのに、いまはそれほどでもない」とのことでした。しかし後屈をすると、やはりその左臀部に鈍い痛みが走る。MRIで詳しく調べると、腰椎が直線化し軽度に側弯していることが分かりました。

 診断名は、主病名が脊柱管狭窄症で、副病名は椎間板ヘルニア。3カ所の椎間板に特殊ジェルを刺入させるセルゲル法を実施することとなりました。ただし、この男性の脊柱管などの状態では、治療効果は限定的で、よく見積もっても期待できる症状の軽減は50%程度であること、治療後は1日から2週間程度は重い痛みが出現する可能性があること、治療効果はすぐには出ず、3週間から3カ月ぐらいかかることなどを事前に説明しました。

 それから1週間後は足のつま先がしびれ、お尻にも痛みがありましたが、1カ月後には腰が重い感覚はあるものの、それ以外は良くなったとのこと。3カ月後になると、痛みのレベルは変わらないが痛むのは常ではなく時々に。そのほかの症状は皆無というところまで改善しました。

 歩行やストレッチなどの運動もするようアドバイス。血流を促し、筋肉を増やし、症状の改善が期待できるからです。

「腰痛で好きなゴルフもやめた」と初診時に話していましたが、ゴルフを再開することを目標に、日々リハビリに励んでいらっしゃいます。

(ILC国際腰痛クリニック東京・箕輪忠明院長)

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