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歴史的な円安、相次ぐ値上げ…生活苦は「歯」の健康へどう影響するのか?

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月30日 9時26分

「炭水化物のエネルギー比率で見ると、男性は世帯年収600万円以上で58.6%、200万円以上600万円未満で59.5%、200万円未満で61.1%でした。女性はそれぞれ、56.8%、58.3%、59.7%で世帯収入が少ないほど、ご飯や麺類といった炭水化物でお腹を満たしている実態が明らかになっています」

 また、世帯支出を基準に4群に分けたところ下位25%群は上位25%群に比べて歯の残存数が少ないリスクが1.91倍に上ったという。

「高齢者が歯のケアを怠ると硬いものが食べられず、軟らかいモノばかりを口にするため嚥下機能が衰え、誤嚥性肺炎になるなど、寝たきりや認知症リスクが高まることが知られています。また、虫歯菌を放っておくと、血液を通じて全身をめぐり、さまざまな悪さをする。とくに虫歯菌などは心臓の弁にたまりやすいことがわかっていて、心臓病になりやすいことが報告されています」

 興味深いのは、歯の残存数が少なくなるリスクは教育年数にも関係していて、教育年数9年以下群は、教育年数13年以上群の1.84倍に上ると報告されていることだ。

 当然だが、世帯支出の多さや長期の教育年数は経済的豊かさの裏返しである。

「近年、歯科関係者の間で問題になっているのは、子供たちの歯並びの悪さです。理由は軟らかいモノを噛まずに食べているため顎が発達せず、親知らずを除く28本の歯が顎におさまらなくなりつつあるのです。先天的に前歯の側切歯がない子供なども増えつつある。これも安易に炭水化物ばかりで空腹を満たす、経済的理由が遠因のひとつにあるのかもしれません」

 健康でいられるか否かは意識して生活するかにかかっている。健康のために歩いたり健康食品を口にする前に、まずは口の健康を守る努力をすることだ。

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