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ベッド編(4)背中にクッションを入れて姿勢を安定させる【誰でもできる力いらずの介助術】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月31日 9時26分

ベッド編(4)背中にクッションを入れて姿勢を安定させる【誰でもできる力いらずの介助術】

(写真1)「写真と動画でわかる!埼玉医大式力がいらない介助技術大全」(講談社)

【誰でもできる力いらずの介助術】

 寝たきり状態の人の介護では、褥瘡(じょくそう=床ずれ)を防ぐため、定期的に寝返りをさせる介助が必要になる。ただ、寝返りを完了させて相手から手を離した途端、姿勢を保てずに元に戻ってしまうケースは少なくない。

「寝返りした姿勢を保とうとして、相手の腕を強く押さえる介助者は多くいます。ただ、腕を掴むだけでは骨盤が後ろに倒れやすく、上半身もつられて体はあおむけに戻ります。寝返り介助をしたら、介助者は両手で相手の腕の付け根と腰に触れ、姿勢が安定するのを確認してください」

 そう話すのは、力がいらない根津式介護技術を開発した根津良幸氏だ。姿勢が保持されたのを確認したら、体位を固定するため背中の後ろに枕やクッションを入れる必要がある。

 具体的な方法は、①介助者は相手の胸の位置に自分の膝(枕に近い方)をつき、ついた膝と同側の腕を直角に曲げて前にかがみ込む②曲げた腕は相手の背中越しに肘をつき、手のひらを上向きにした状態で肘を相手の背中に当てて密着させる(写真1)③相手の背中に当てた腕を倒し、前腕を背骨に沿ってまっすぐ当てる④空いている方の手で相手の背中の後ろにクッションを置き、姿勢を保つ。

介助者の視線は正面に向ける

 さらに、介助者を悩ませるのがベッド上での水平移動だ。寝たきりの人でも、ベッドの背上げ機能を利用すれば腰に負担をかけず楽に左右へ移動させられるという。

「①あらかじめ枕を取り除いてからベッドの背をできるだけ高く上げ、相手を移動させたい側のベッドの横に立ちます②相手の頭から遠い方の膝をベッドにつき、親指、中指、薬指で相手の両手首を取り、お腹の前で交差させます③介助者は相手の膝の位置まで移動して、先ほどと同側の膝をつき直し、ついた膝と同側の腕を相手の膝下に深く差し入れます。その際は手のひらを下に向けた状態にしてください(写真2)④差し入れた腕を親指が上になるように回し、五指をピンと張ります⑤相手の膝下に差し入れた腕を斜め45度の角度で引き上げ、相手の両膝を曲げます」

 ⑥空いている方の腕を相手のうなじから奥側の肩まで差し入れ、中指と薬指で肩に触れる⑦相手の両膝の下に差し入れた方の腕の手のひらを上向きにして、中指と薬指で奥側の膝に触れる⑧そのまま相手の体を手前に傾け、引き寄せて水平に移動させる。

「介助の際に意外と重要なのが視線の方向です。重い物を持ち上げる際、視線が対象物に向いていると重く感じやすいので、あえて相手を見ずに視線は正面に向けながら行ってください」(おわり)

(根津良幸/埼玉医科大学客員教授)

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