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男性は「行動」、女性は「性格」…怒りのポイントが違う【科学が証明!ストレス解消法】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月31日 9時26分

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男性と女性では「怒り方」が違う(C)日刊ゲンダイ

【科学が証明!ストレス解消法】#167

 異性とケンカをしてしまったとき、なかなかうまく対処できなかった経験はありませんか。

 それは、基本的な傾向として、男性と女性は怒り方が違うからです。そして、そういった違いは、男性と女性の脳の構造に違いがあるからだと考えられます。

 男性と女性の脳では、女性の脳の方が血流量や灰白質が多く、男性の方が白質が多いということが、イェール大学医学部のコスグローブらの研究(2007年)によって明らかにされています。血流量が多いと、感情を処理する脳の部位がより活発になります。ですから、女性は感情に対する認識や共感能力が高い傾向があるわけです。

 また、灰白質は神経細胞が密集している部分で、情報処理を行います。女性の脳は灰白質が多いため、細かい情報処理や言語能力、記憶力が優れていることが多いといい、マルチタスクの処理能力が高いことがわかっています。

 一方、男性の脳に多い白質には、神経線維が多く含まれており、異なる脳領域間の情報伝達を担う機能があります。したがって、白質が多いと、情報の伝達速度が速く、空間認識や運動機能に優れるのです。また、白質の多さは、一つのタスクに集中する能力を高めるので、男性は特定の目標や問題解決に集中しやすい傾向があるわけです。

 こういった脳の特性の違いから、男女の怒り方の違いを考えてみます。フロリダ国際大学のバートの研究(2014年)によれば、一般的に、女性は怒りをより感情的に表現しやすい傾向があるとされています。また、いくつかの研究で、男性は相手の「行動」を批判し、女性は「性格」や「人格」そのものを批判することが観察されています。

 例えば、女性が「キモい」や「生理的に無理」といった言葉を選びがちなのは、わかりやすい典型例でしょう。女性は、さまざまな情報を総合的に評価した結果、怒りが爆発します。積み重ねの末に、突如、怒りのスイッチが押されるため、森ではなく木を見て物事を考えがちな男性の多くは、女性の怒りに対処できず戸惑ってしまうことも珍しくないのです。

 一方、男性の怒りは一つ一つの事柄に対して向きます。相手の発言が気に入らない、相手のとった行動が理解できない……。こうしたことに腹が立つというわけです。女性からすれば、「どうしてそんなことに怒るの?」と思うようなことに、男性は怒りをあらわにすることが珍しくない。男女の関係というのは一筋縄ではいかないんですね。

 とはいえ、怒りの原因が部分的(男性)であれ全体的(女性)であれ、怒りは脳の最も原始的な部分で発火し、数秒から数分程度で燃え尽きる一過性のボヤのようなものです。一過性で収まるのですから、まずは相手の言い分をきちんと聞くことが大切。

 ただ、先述のバートの研究では、女性は怒りをより積極的に表現する一方で、怒りのコントロールが男性よりも難しいという結果も示されています。再び仲の良い関係を築くためにも、男性と女性では発火ポイントや怒り方が違うということを覚えておきましょう。

(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)

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