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口の中の問題は口の中だけにとどまらない…全身病のリスク因子に【第一人者が教える 認知症のすべて】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月4日 9時26分

 ちなみに、歯科検診は受けていないけどセルフケアはきっちりやっているかというと、「歯ブラシを用いた歯磨きに加えて歯や口の清掃を行っているか」の質問に対し、「やっていない」男性は例えば30~39歳で5割超、40~54歳で40%台前半。歯科検診も受けておらず、セルフケアも万全でなければ、歯周病が進んでいてもおかしくありません。

もとより健康意識が強く意欲的ということが大きい

 歯周病とアルツハイマー病との関係を調べた研究はいくつもあります。例えば国立長寿医療研究センターがもの忘れセンターを受診した183人に対して歯周病の検査を実施したところ、歯周病のある人は、ない人に比べて認知機能が低下していたそうです。

 ただし、このような「〇〇と認知機能/認知症発症」といった関係を調べる疫学的研究には、注意が必要なことをここで指摘もしておきたいと思います。例えば、「運動と認知機能」「睡眠と認知症発症」をはじめ「ワクチン接種と認知症発症」などまで多種ありますが、みな実行していた方が認知症発症が少ないという結果です。もちろん、その有効性は実行しないよりは実行していた方が発症予防につながるとは思いますが、結果の解釈には十分な注意が必要です。

 今回の話題でも、歯周病のある・なし、残存する歯の数など、もとより健康意識が強く意欲的な人の方が歯磨きもよく実行するでしょうし、運動もするし、全体に脳も日頃から活性化されていると思います。なので、そのような人の方が「認知機能の低下が少なく、発症も少ない」という結果も当たり前な部分もあるわけです。なので、医学研究の場合はさまざまな要因を多角的に分析して、このような短絡的な結論ではないような対応がなされます。

 問題は、メディアでのコマーシャルで取り上げられるサプリメントや健康器具です。この場合も、前述したように「もともと意欲的で前向きな人が導入しているので、良い結果なのではないか?」という冷静な視点で見ることと、その購入を考えるなら、かかりつけの先生に相談してみることをお勧めします。

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