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ぎっくり腰を頻繁に経験…だましだましきたが力仕事が増えて悪化【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月5日 9時26分

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【ひどい腰痛も8割治る】#18

「19歳ぐらいからぎっくり腰をたびたびやっています。そのたびにストレッチで良くなっていたんですけど、6年前から力仕事が多くなり、腰に負担がかかったからか、急に足全体が常にしびれるようになり、ぎっくり腰を起こす頻度が増え、なかなか治らなくなったんです」

 岩手から遠路はるばる来られた68歳の男性。体をちょっと動かしただけで足全体のしびれがひどくなり、また長時間座っていると腰に鈍痛が走るようになり、岩手の県立病院を受診。脊柱管変性症と診断され、整体院で「脊柱を正常の位置に戻す」という施術を受けていたそうです。

 ぎっくり腰は正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、主に3つの要因があります。椎間板変性によるもの、椎間関節の炎症によるもの、筋肉・筋膜によるものです。

 この方の場合は椎間板変性と筋肉の硬化による要因がありそうでした。筋肉は収縮することができる「筋線維」と呼ばれる細い線維の束でできていますが、あまり動かさずにいると血行不良を起こし筋線維は硬化していきます。そんな状態の筋肉に、大きな荷物を持ったり無理な運動をしたりして急に衝撃が加わると、筋肉がショックを起こし、一時的に機能を消失。さらに周囲の筋肉も筋硬化を引き起こし、結果ぎっくり腰となるのです。

 ぎっくり腰を起こす方はたいてい、普段から腰の筋肉が緊張しています。根本的な対策を講じるには、腰周辺の筋肉の緊張を解き、血行不良状態にならないようにすることが重要。腰周辺を柔軟にするストレッチや筋肉トレーニングが有効なのです。ただ、冒頭の男性の場合、心房細動を患っていて、運動もままならない状態で、ストレッチなどを十分に行えない。

 MRIで画像診断をすると、4カ所に椎間板変性が見られ、ひび割れが所見されました。そこで4カ所に特殊なジェルを椎間板に刺入するセルゲル法を実施しその日に帰宅していただきました。

 施術後は心臓のカテーテル手術を受け、ストレッチなどができるようになり、腰痛やしびれは少しずつ改善。1年が過ぎた頃には、起床時の違和感や痛みはなくなりました。ただ、日によってレベルは違いますが、足のしびれや足裏の違和感は残り、足を伸ばすストレッチを行うと腰が痛くなるといい、畑仕事の時に前かがみになると翌日にしびれが出現すると……。

 それでも毎日のストレッチで緩和する実感を持たれており、運動を少しずつ再開する予定とのことで、改めて専門の指導の下でのリハビリを強くお勧めしたのでした。

 なお、通常ですとぎっくり腰は1週間から10日ほどで自然に回復していきます。もし2週間以上改善が見られなかったり、悪化したり繰り返す場合は、複数の要因が重なったぎっくり腰であったり、他の病気が複合的に重なっている場合もあるので、注意が必要となります。

(ILC国際腰痛クリニック東京・箕輪忠明院長)

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