1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

爪が皮膚に食い込んで痛い…正しい爪の切り方は?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月6日 9時26分

写真

深爪にならないように切る

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#21

 巻き爪を放置すると、爪の端が皮膚に食い込んで指の痛みや腫れが生じる「陥入爪」になるリスクがあります。ほかにも誤った爪の切り方で深爪になると、伸びる過程で爪の側面が皮膚に埋もれ、陥入爪を引き起こしやすくなります。

 注意したいのが細菌感染です。爪のすぐ下には骨があり、陥入爪で皮膚に傷ができるとそこから細菌が侵入して感染を起こします。感染が骨まで及ぶと骨髄炎を起こして骨が溶け、最悪のケースでは指の切断に至ります。基礎疾患があり、人工透析を受けていると動脈硬化が進行しやすく血流が悪いので、傷が治りにくい。なおさら注意が必要です。

 とりわけ糖尿病の人の場合、動脈硬化に加え、糖尿病神経障害による知覚障害で痛みを感じにくく、陥入爪と気づいた時にはすでに手遅れのケースも少なくありません。 

 60代の男性は、ある日靴下をはこうと足元を見たところ、親指だけ真っ黒に変色していると当院を受診されました。見ると左足の親指に爪が食い込み、そこから感染し骨髄炎を起こしていました。

 糖尿病の罹患歴も長く、動脈硬化の進行によって血流が悪く傷が治りにくい上に、知覚障害から陥入爪に気付くのが遅れ、感染から2週間ほど放置していたと考えられます。潰瘍が親指だけにとどまらず、結局、膝下から足の切断となってしまいました。

 陥入爪を防ぐためにも、巻き爪があれば放置せず治療を受ける必要があります。

 フットケアも重要です。深爪にならないよう、爪を切る際は①爪の先端の白い部分を1~2ミリ程度残してカットし、②爪やすりで先端と角を滑らかにします。この際、先端は水平に、角を削る際は先端に向けて動かし、角の丸いスクエア型になるように整えてください。

 可能であれば、最後に歯ブラシや綿棒で爪に付着した削りカスを取り除くと良いでしょう。

 糖尿病で感覚が鈍い方であれば、毎日爪の状態をチェックしてください。万が一、陥入爪で感染を起こしても早期に気付けるようなるべく靴下は白色を選び、出血していないか着替えるたびに確認してください。

 先述の男性も、手術後に「糖尿病で陥入爪になると切断のリスクがあると知っていたら、フットケアを必死に行ったのに……」と嘆いていらっしゃいました。

 足を守るためにも、日頃から足の状態をご自身で確認することが大切です。

(田中里佳/順天堂医院足の疾患センター長)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください