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「ギャンブル依存症」体験記(3)消費者金融に手を出し13社から借りていた

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月6日 9時26分

「ギャンブル依存症」体験記(3)消費者金融に手を出し13社から借りていた

野原広子さん(C)日刊ゲンダイ

野原広子さん(フリーライター/67歳)

 でも、実生活に戻ってみると、麻雀で失ったお金がボディーブローのように効いてきました。

 借金をしてまで麻雀をやるようになったのは、30代後半。麻雀を始めて5年が過ぎていました。気がつくと1000点200円のレートの店に出入りするようになり、負けが込んで、手持ちのお金が足りなくなって、「取り返そう!」と銀行のATMに駆け込んでお金をおろしてまたやって、それでも足りなくなって……一晩で17万円負けたこともありました。

 明日から出張だというのに、モデル2人とカメラマンの出張費をつぎ込んでしまったり、ローンを組んで買った50万円の牛首紬の高級反物を3万円で売って雀荘に行ったときは、自分でも「狂ってる」と思いました。でも、逆に「ここで負けたらヤバいぞ」と思いながらやるとスリルが増す。それがギャンブルの醍醐味でもあるんですよ。

 消費者金融にも手を出し最終的には13社から借りていました。A社の返済日が来ると、B社から借りてA社に返し……なんて自転車操業も当たり前。仕事でまとまったお金が入ると返済したついでにまた数万円借りて雀荘に行っていました。

 返済日までに返せないと、消費者金融から電話がかかってきます。「いつまでに返済してもらえますか」と、最初は紳士的なんです。でも、約束の日までに返せないと、また電話がかかってきて、「いつ返すんだよ!」「待ってるんですよ、こっちは!」とだんだん言葉が荒くなってきます。

 自宅まで来られて、ドアをドンドン叩かれたこともあります。怖かったですよ……! でも、隣近所に聞かれているので、ちゃんと対応しましたよ。自分のしでかしたことだから仕方がありませんしね。

 友達や親から借りたことも、もちろんあります。ギャンブルで借金が膨らんでいることは誰にも秘密にしていましたから、友達には「家賃が払えないから5万円貸してくれない?」などとウソを言って……。すぐに返すので、また貸してくれるんですけど、その繰り返しです。親には「パソコンを新しくしたんだよね」って。これもウソ。でも、目先のお金のことで頭がいっぱいで、ウソをつくことに罪悪感はありませんでした。脳内がそういうふうになっていたのでしょうね。

 借りるアテがついになくなり、40代後半の頃、路地裏にある“ヤミ金”の事務所に足を踏み入れたこともありました。当時の私は、「このままいったら、どうなっちゃうんだろう……」と、相当追い込まれていたんです。ドアを開けると応接セットがあって……映画で見るような暴力団事務所でした。でも、「ここはアナタのような人が来るところじゃありません」と言われて、帰されてしまいました。私に性的な魅力が少なかったから、無事だったのかもしれませんが(笑)。 =つづく

(構成=中野裕子)

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