1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

親の主治医に自ら話を聞きに行こう…自分ひとりで病院へ【親を要介護にさせたくない】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月11日 9時26分

親の主治医に自ら話を聞きに行こう…自分ひとりで病院へ【親を要介護にさせたくない】

病院に通っているだけで満足していることも(C)日刊ゲンダイ

【親を要介護にさせたくない】#3

 最近、調子はどう? そう聞くと「大丈夫。ちゃんと薬を飲んでいるし、問題ないよ」。いつも親の答えは同じ。きっとどこの家でもこんな会話が繰り返されていることだろう。だが、ここで安心してはいけない。

 高齢の親は定期的に通っている病院があっても、病名はおろか、処方されている薬の名前や効果を理解していないことが多々ある。つまり通っているだけで満足し、日常生活の注意を聞き流している可能性があるからだ。持病を悪化させないよう、一度は家族として主治医に話を聞きに行くことをおススメしたい。

 方法は簡単だ。まず診察券番号と主治医名を確認し、病院に「自分が家族であること。親の健康状態をしっかり確認するためお話を聞きたい」と伝える。よほど大きな病院でもない限り、あっさりと予約が取れるはずだ。実際、筆者も自身の親や妻の親の主治医に、何度もこの方法でアポイントを取ったが、一度も拒否されたことがない。

 注意したいのは、後の無用なトラブルを避けるため、事前に親の同意を得ること。親は同席せず、自分がひとりで聞きに行くことをしっかり主治医に伝えることも忘れずに。当日準備するのは、親の診察券と保険証。他の病院にもかかっていて主治医が複数いる場合は、お薬手帳も持って行くと話はスムーズに進む。

 医師と話すときのポイントは「家族から見た親の状態」「今の不安や困っていること」「今後の治療方針や見通し」など。より具体的に「親はこんなことを話しているけれど、正しい認識でしょうか?」と突っ込むことも必要だ。なぜなら、結構な確率で主治医から否定されるケースが多いから。

 たとえば、筆者の親は股関節に問題があり、歩行能力が徐々に落ちていた。人混みでは危険なので杖を使うよう話したところ「先生はそこまで必要と言ってない。大丈夫」と否定していた。しかし、主治医に確認すると「とんでもない、杖を使うことで周囲も気を付けてくれるので、ずっと使うよう話しているんですよ」と返ってきた。あ、やっぱり……。

 でも、ここで親を怒るのは得策じゃない。親には「私はまだ元気だ。年寄りじゃない」との矜持があるからだ。あくまで優しく、じっくり話し合う根気も持ち合わせたい。なお、本人不在で家族が受診しても、病院側はよほどのことがない限り再診扱いにしてくれる。医療費はせいぜい数百円で収まるだろう。

(西内義雄/医療・保健ジャーナリスト)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください