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腰痛に至らないまでも長年違和感を抱え、ある時急激に症状悪化【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月12日 9時26分

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複合的な要因で腰痛に…

【ひどい腰痛も8割治る】#19

「5年ぐらい前に近くの整形外科で脊柱管狭窄症と診断されたんです」とは、72歳の男性。

 当時の病院では手術をするほどでもないとの診断で、血行を良くしてしびれや痛みを改善する薬と湿布薬が処方されたそうです。その時は半年ほどで痛みが軽減。ところが2年前、ゴルフをしたら、その夜に腰からお尻にかけて急に痛みが出てきて、病院で診てもらったら脊柱管狭窄症が悪化していると言われたとのこと。

「それからどうも調子が良くない。座ったり立ち上がる時に鈍く痛むんです。太ももやふくらはぎにはしびれる感じがあります。つい先日はとうとう、立ち上がろうとしたら尿が漏れそうな感覚に襲われ、残尿感も出始めました」

 男性は腰を患う以前にも左膝の半月板の手術を受けていたということで、その膝の状態も長年にわたって、腰痛悪化になんらかの影響を与えていたのかもしれません。腰痛に至らないまでも長年なんらかの違和感を抱えていて、年を重ねた末に突然はっきりとした腰痛を発症するという方は少なくありません。しかもその原因は複合的なのです。

 早速診察。前屈では変わりはないものの、後屈ではお尻の辺りに痛みがあるとのことで、MRIで画像診断をした結果、主病名は脊柱管狭窄症で副病名はすべり症との診断となりました。

 このすべり症は、背骨を形成する椎骨がずれて痛みを生じる状態です。原因は大きく4つあります。まず、生まれつき背骨の発達に問題がある。次に、腰の曲げ伸ばしやひねりの繰り返しで腰椎の後方部分にひびが入るなどの分離状態になる。さらに、加齢などで椎間関節が疲労骨折を起こし、発症する。最後に椎間板変性によるものです。椎間板変性が起きると椎骨を支えるクッション機能が弱くなるため、すべりの要因となります。

 症状として、腰痛が現れ、次第に下半身のしびれや歩行障害が起こる。すべり症が起こる部分に排泄機能をつかさどる神経が通っているため、排尿や排便に支障をきたすこともあります。男性は、これに当たるのではないかと推察されました。

 3カ所の椎間板に特殊なジェルを針で注入するセルゲル法を実施。施術して3カ月後には全体的に軽くなったものの、依然として座ってから立ち上がると少ししびれが出るとのことでした。

 半年後には変形性膝関節症の手術も受けられたようですが、腰やお尻にかけての痛みはなくならないもようでした。そして1年たった現在も痛みは出てくるとのことで、椎間板以外の要素の可能性を説明しました。

 ただ膝の状態が改善されたことで週5日のウオーキングを開始。希望を捨てず、さらなる改善を目指し、根気よくリハビリを行うことを検討してもらいました。

(ILC国際腰痛クリニック東京・箕輪忠明院長)

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