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白内障ではないが眼内レンズで「老眼」を治療したい【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月13日 9時26分

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多焦点レンズは選定療養の対象

【一生見える目をつくる】#17

「白内障はまだ出てないけれど、多焦点レンズを挿入して老眼を治療したいが可能?」と知人から質問されたことがあります。

 多焦点レンズを使用した白内障治療は、あくまで「白内障」という病気を治すためのもの。多焦点レンズは保険適用ではありませんが、2020年から選定療養の対象となっています。選定療養については、この後で詳しく説明しますね。

 しかし、白内障のない方や白内障であってもまだ手術の必要がない方が「老眼を治したい」という希望での手術は選定療養の対象から外れ、自由診療(全額自費)となります。当クリニックでは片目で約80万円となっています。

 私は老眼治療で相談に来られる患者さん全員に手術を勧めるわけではありません。老眼はあるが、日常生活の見え方には不自由がないというような方が眼内レンズにすると、見えにくさを感じることもあります。

 眼鏡やコンタクトレンズで視力がよく出るようなら、遠近両用のコンタクトレンズや、以前この連載でもお話ししたレーシックのモノビジョンを提案します。私自身の目は、現在このモノビジョンにしてあります。

 眼内レンズの費用の話をしましょう。「白内障があり、治療としての眼内レンズ挿入が必要」を前提として、話を進めますね。

 もし単焦点レンズを選ぶなら健康保険適用となり、診察・検査費用も含めて片目約6万円(3割負担の場合)です。しかし老眼治療も兼ねたい場合、選ぶことになる多焦点レンズは保険適用外ですので、本来は全額自費となります。しかし前述の通り、選定療養の対象となっているため(すべての多焦点レンズに選定療養が認められているわけではない)、負担する額は全額負担よりグッと低くなります。

 選定療養とは、簡単にいうと保険適用と保険適用外の混合医療ができるということ。

 全額自費ですと、手術前後の診察や検査も自費となりますが、選定療養での白内障治療では、それらは保険適用。多焦点レンズの差額代金と追加で必要な検査費用だけ、保険適用外となります。当院では、保険診療分が約6万円(3割負担の場合)、多焦点レンズ代などが40万円なので、総額46万円くらい。全額自費の80万円と比べると、幾分か手が届きやすくなります。

 なお、白内障治療の多焦点レンズが選定療養の対象となったことで、先進医療対象外となり、保険会社などの医療保険で先進医療特約に入っていても、それは使えません。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

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