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足白癬=水虫の正しい薬の塗り方は? 放置すると全身に広がる【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月13日 9時26分

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梅雨から夏にかけては特に注意が必要

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#22

 日本人の5人に1人が悩みを抱えているのが「水虫(足白癬)」です。カビ(真菌)の一種である白癬菌が、足の皮膚の角質層に感染して発症します。主な感染経路は、脱衣所の足ふきマットやプールサイドをはじめ、近年はヨガ教室やスポーツジムなど、裸足で歩く場所が挙げられます。カビはジメジメとした高温多湿な環境を好むので、梅雨の時季から夏にかけては特に注意が必要です。

 足白癬は足裏に小さな水ぶくれができる「小水疱型」、足裏やかかとが肥厚し硬くなり、時にひび割れる「角質増殖型」、足の指の間の皮が剥ける「趾間(しかん)型」といった3つに分けられます。足白癬というと、かゆみがイメージされやすいですが、実際にはかゆみを訴えない患者さんも少なくありません。

 放置すると、足の爪に感染する爪白癬だけでなく、足のスネや太もも、鼠径部や背中など全身のあらゆる部位に感染が広がります。

なるべく裸足で歩くのは避けること

 ある30代の男性は、足裏がひび割れて痛いと受診されました。話を聞くと足裏だけでなく、太ももや背中にガサガサしていて湿疹のような箇所があるといいます。皮膚を採取し、顕微鏡検査を行ったところ白癬菌が見つかりました。

 ほかにも糖尿病の方は知覚障害によって足の感覚が鈍くなりやすいので足の皮膚がひび割れても痛みを感じず、そのまま過ごしているうちにひび割れた箇所から細菌が侵入し、足が赤く腫れ上がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす可能性が高くなります。対応が遅れると最悪のケースでは死に至る恐れがあるので、早めの段階で足の異常に気付くことが大切です。

 足白癬は外用薬での治療が一般的です。イミダゾール系やベンジルアミン系、アリルアミン系などの抗真菌薬を、患者さんの足の状態に合わせて処方しています。また塗る量の目安は、片足につき自分の人さし指の第一関節分とされています。歯ブラシに歯磨き粉を乗せるイメージで薬を乗せたら、足裏や足の甲、足趾の間にかけて広範囲に塗ってください。1日1回入浴後に塗り続けると、約半年で症状が改善されます。

 いくら治療で完治しても、再び白癬菌に感染すれば足白癬を発症します。なるべく裸足で歩くのは避け、プールやジムなどの共用施設を裸足で歩いたら帰宅後は必ず足を丁寧に洗い、難しければ濡れタオルで拭くなど、足の衛生管理を行ってください。

▽小川尊資(おがわ・たかすけ) 2003年順天堂大学医学部卒業、13年4月に順天堂大学医学部皮膚科学教室准教授を務め、19年足の疾患センター副センター長に就任。22年より順天堂大学医学部皮膚科学教室先任准教授を務める。

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