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若年層にも急増中…「糖尿病性白内障」に気をつけろ

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月13日 9時26分

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糖尿病の方は高頻度で白内障が発症する(C)iStock

 白内障なんて高齢者の病気。私には当面関係がない──。30~40代の人の中にはそう考える人も多いのではないか。しかし、糖尿病の人はその考えを改めるべきだ。糖尿病がある人は健康な人よりも早期かつ高頻度で白内障が発症することが報告されている。その発症頻度は5倍といわれ、糖尿病患者の20%はすでに白内障を発症しているという。コロナ禍以降、リモートワークが増えたことで糖尿病とその予備群が増加傾向にあり、糖尿病性白内障の患者が目立って増えているという。専門家に聞いた。

「糖尿病患者の目の合併症といえば、糖尿病性網膜症が有名ですが、最近目につくのが白内障です。加齢による白内障の場合は手術は60代以降が多いのですが、糖尿病による白内障は30~40代に発症することも多く、放っておくと白内障手術を受けられなくなる場合も出てきます」

 こう言うのは糖尿病専門医で「しんクリニック」の辛浩基院長だ。

 会社経営をしていた40代男性は10年前に糖尿病と診断され、会社近くのクリニックに通っていた。最近、目のかすみやぼやけと同時に視力低下を自覚した。「メガネがあわないのかも」と考えてメガネを新調したが、視力は戻らない。医師に相談したところ、「白内障の疑いがある。すぐに糖尿病に詳しい眼科専門医を受診しなさい」と言われ、ある眼科医を紹介された。

 ところが、「そのうち行けばいいや」と軽く考えて多忙な仕事を口実にして受診を先延ばしにしているうちに目をいくら凝らしても手元の書類すらよく見えなくなった。慌てて眼科専門医に駆け込んだところ、「目の状態が悪く、もう少し遅かったら白内障手術はできなかった」と告げられた。

 幸いこの男性は真面目に血糖コントロールに取り組んだうえで、白内障手術を受けられたという。

「この男性は、それでも手術できたから良かったのですが、中には糖尿病網膜症など他の目の疾患がその後に見つかり、白内障手術では視力回復できないケースもあります。また、白内障の疑いを告げられた糖尿病患者さんの中には、その足で糖尿病のことをうるさく言わない眼科で白内障手術を受けてしまおうとする人もいます。しかし、これは危険です。高血糖のまま白内障手術を受けると、傷口の治りが遅く感染症のリスクが高まるため手術後の衛生管理が難しくなります。さらに、糖尿病性網膜症がある場合はそれが進行する可能性もあることなどが考えられます」(辛院長)

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