「コラーゲンペプチド」肌の弾力性や潤い改善だけでなく痛み軽減も【時間栄養学的「気になる食品」】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月17日 9時26分
美容だけでなく健康についての効果も注目されている
【時間栄養学的「気になる食品」】
コラーゲンペプチド
◇ ◇ ◇
古代エジプトや古代中国では、コラーゲンを含む動物の皮や骨が傷の治癒や美容目的で使用されていました。この時代には、すでに動物性の素材に再生力や保湿効果があることがわかっていて、医療や美容の一環として利用されていた記録があるのです。
中世ヨーロッパでも、コラーゲンを含む食品や薬草が広く利用されていました。特に、骨や皮を煮込んで作られるブイヨン(スープ)は、健康維持や病後の回復に効果的であるとされていたようです。これらの伝統的調理方法は、現代のコラーゲンペプチド製品の基盤となっています。
20世紀に入ると、科学技術の進歩によってコラーゲンの化学構造や機能が研究されるようになり、1950年代にはコラーゲンの三重らせん構造が発見されました。そして80~90年代にかけて、酵素処理によってコラーゲンを低分子化する技術が開発されます。これにより、体内での吸収効率が高いコラーゲンペプチドが製造されるようになったのです。
現代では、サプリメントや美容製品に利用されるとともに、コラーゲンペプチドの美容や健康に対する効果に対する研究が数多く報告されています。たとえば、2014年に発表された研究では、コラーゲンペプチドの摂取が肌の弾力性や潤いを改善し、シワの深さを減少させることが報告されています。
また、2015年には6週間にわたりコラーゲンを摂取すると皮膚の水分量が増加した報告や、2016年には40mgのⅡ型コラーゲンを90日間摂取することで、痛みの軽減と関節機能の改善がみられる報告もあります。さらに、2019年の研究では、運動後にコラーゲンペプチドを摂取したアスリートが、プラセボ群に比べて筋肉痛が軽減し、回復が早まったと報告されました。これにより、近年ではコラーゲンペプチドが運動後の筋肉痛の緩和や筋肉のリカバリーを助ける効果も注目されています。
コラーゲンペプチドは、サプリメントやドリンク、加工食品として市場に提供されていますが、骨つき肉や魚の皮、ゼラチンなど、自然な形でコラーゲンを含む食品もあります。もちろん食べすぎは厳禁ですが、体を動かした後に意識的にコラーゲンを含む食品を摂取することで、健康のサポートにつなげることが出来るのではないでしょうか。
(古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)
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