1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

大量のフケが出る人は「粃糠性脱毛症」で薄毛が進むリスクあり

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月15日 9時26分

写真

掻きむしるとさらに悪化し悪循環に陥りやすい

 頭がかゆくて掻きむしったら服に大量のフケが……。洗髪すれば治まるだろうと軽く考えている人も少なくない。しかし、細かく乾燥したフケが大量に出る場合には、頭全体の薄毛につながるリスクが高い。「クレアージュ東京エイジングケアクリニック」院長の浜中聡子氏に聞いた。

「頭皮のかゆみに加え、細かくサラサラしたフケが大量に見られた場合、『粃糠性脱毛症』が疑われます。大量に生じたフケが毛穴を塞ぐと、毛穴に存在する常在菌の一種であるマラセチアが繁殖して炎症を起こし、かゆみや赤みが現れます。かゆくて頭を掻きむしると、症状がさらに悪化して悪循環に陥りやすい。慢性化すると髪の毛の成長が阻害され、頭全体の抜け毛だけでなく髪が生えにくくなり薄毛につながる恐れがあるのです」

 粃糠性脱毛症といっても発症の原因はさまざまだ。洗浄力の強すぎるシャンプーや、頭皮に合わない整髪剤の使用で頭皮が過度に乾燥すると、皮脂と水分のバランスが崩れて頭皮環境が乱れ、リスクが高くなる。ほかにも洗髪頻度の少なさや、シャンプーやコンディショナーのすすぎ残し、髪の毛が生乾きといった状況も、常在菌を繁殖させ発症のリスクにつながるという。アトピー性皮膚炎などアレルギー体質の人や、皮脂の分泌量が減る閉経後の女性も発症しやすいというから注意したい。

「粃糠性脱毛症は比較的男性に多いとされています。ただ、男性と比較して女性は髪の毛が長く、ただでさえ頭皮の通気性が悪い上に、耳の後ろのくぼみに髪の毛が密集しやすく乾きにくい。当院で粃糠性脱毛症と診断された方の中でも、耳の後ろから襟足にかけて症状が見られるケースも少なくありません」

■シャンプーに注意

 ある50代後半の女性は、約3カ月前から猛烈な頭のかゆみと大量のフケに悩まされていたが、元々乾燥肌なため季節的なものだろうと市販の保湿シャンプーで対処していた。ヘアセットがしづらいと感じていたある日の夜、風呂場の排水口に抜け毛がびっしり詰まっているのに気付き、慌てて受診した皮膚科で粃糠性脱毛症と診断された。

 頭皮の炎症の状態に合わせて、ステロイド外用薬、抗生剤、抗真菌薬などが使われる。掻きむしる行為によって頭皮に傷がつき、細菌感染を起こしている場合には抗生物質が処方される。皮脂の分泌が少ない人に対しては、ビタミンB群のサプリメントも有効だ。

「頭皮は顔や腕などと違って髪の毛があるので外用薬を塗るのが非常に難しく、塗れば塗るほど頭皮はべたつきやすい。そこで当院では、マラセチアの異常繁殖を抑え頭皮環境を改善させる『ケトコナゾール』をシャンプーに溶かしたものを処方しています。市販のシャンプーに含まれるミコナゾールよりも頭皮湿疹に対する効果が高く、早い人だと1カ月で症状が改善します。ただ、皮膚の病気と同じく頭皮は治療に時間がかかる上に何度も繰り返しやすい。特定の部位だけにかゆみがあると再度受診される方も一定数見られます」

 自宅での対策も重要だ。病院を受診するほどではないけれど、かゆみやフケが気になり始めたら、洗浄力の強いシャンプーは避け、頭皮への刺激が弱いアミノ酸系のシャンプーを使用する。洗髪する際は、頭皮の炎症を悪化させないようお湯の温度は35~39度に設定し、頭全体をよく濡らす。手でシャンプーをよく泡立てたら、髪の毛ではなく頭皮をまんべんなく洗う。しっかりと洗い流してタオルで水分を拭き取ってから、生乾きにならないようドライヤーでよく乾かす。

「粃糠性脱毛症は予防するのが非常に難しい。本来、抜ける必要のない髪の毛を失うのは患者さんにとって苦痛を伴います。慢性化する前に素早く対処することが大切です」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください