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過敏性腸症候群でもう悩まない(2)薬物療法だけで3カ月で完治できる

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月19日 9時26分

過敏性腸症候群でもう悩まない(2)薬物療法だけで3カ月で完治できる

質の良い睡眠を

 慢性的な腹痛や下痢、便秘やガスだまりの症状に悩まされる「過敏性腸症候群(IBS)」。お腹の不調を改善させる治療には、どういった方法があるのか。「おりたメンタルクリニック」院長の織田宗太郎氏に解説してもらった。

「IBSの治療は薬物療法が基本です。下痢型であれば、腸管蠕動運動の活発化や大腸内への水分流入量を改善させる『イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)』が有効です。ほかにも下痢や便秘、どちらの症状にも対応できる『コロネル(一般名:ポリカルボフィルカルシウム)』と呼ばれる薬もあります。便に含まれる水分量を調節する作用があり、水様便を防いだり、逆に水分量を増やして排便を促してくれます。症状の頻度やタイミングに合わせて服薬回数が変わるので、問診時のヒアリングが重要です」

 症状に応じて、下痢止めや腸内細菌の乱れを整える整腸剤のほか、自律神経の不調に対しては四逆散などの漢方薬も処方される。早い人であれば服薬から1~2カ月で症状が改善され始め、治療開始から3カ月前後で完治するケースも少なくないという。

「IBSを長い間放置したからといって、薬が効かなくなることはありませんが、効果が得られるまでに時間がかかりやすくなります。さらに自律神経の乱れが慢性化していると、そこに対するアプローチも必要になるので治療の負担が増えかねない。心療内科では症状の引き金となる心理的ストレスに対応するカウンセリングも併用しながら治療を行っています。排便異常で悩んだら、慢性化する前に早めに手を打っておくとよいでしょう」

 生活習慣の改善も欠かせない。IBSの人は交感神経の働きが活発な傾向が強く、睡眠障害を伴いやすい。質の良い睡眠を取れるよう、就寝前の飲酒やスマホの使用は控えたい。

 下痢型であれば消化不良を避けるため、食事の回数を増やして1度に摂取する量を減らし消化を良くさせる必要がある。便秘型の人は、1日3回規則正しく食事を取り、海藻類やキノコ類など水溶性食物繊維を積極的に摂取する。

「自分で症状が出やすいタイミングを把握できるよう『日記』をつけるのもお勧めです。排便や食事内容を記録したり、その日の出来事を記録しておく。後で見返すと症状が出やすい生活パターンが見えてくるうえ、状況を医師に説明しやすく治療の際にも役立ちます」

 次回からは、自分なりの対処法を見つけ、症状と向き合っているケースをいくつか紹介する。 (つづく)

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