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映画「石岡タロー」は感涙必至! 茨城版“忠犬ハチ公”役の元保護犬が魅せた圧巻の演技

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月13日 9時26分

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映画「石岡タロー」(C)2023 ONE POINT SIX

 地方発のインディーズ映画「石岡タロー」(石坂アツシ監督)が東京で公開され、口コミでファンを増やしている。石岡駅の待合室で、戻らぬ飼い主を17年間待ち続けた“茨城版・忠犬ハチ公”の実話が評判を呼び、昨年の茨城県での公開から粘り強い興行を続け、ついに東京公開にこぎつけた。その魅力を映画批評家の前田有一氏がこう語る。

「人間と違って“演技指導”が簡単にはできない動物映画であることに加え、昭和時代が舞台ということで、画面に映るすべてに時代考証が必要になります。予算規模が大きいメジャーでも足踏みする題材を、インディーズながら違和感なく映像化していて驚きました。物語は地元の石岡市で語り継がれる感動的なもので、犬好きならずとも大泣き必至です」

 タローの物語を知った映像作家の石坂アツシ監督が、石岡市を中心に取材を重ね、自身初の長編商業映画として製作。資金の一部は一般市民からのクラウドファンディングで集めたという。

 舞台は昭和39年。茨城県の石岡駅近くで小学校の用務員(菊池均也)が一匹の迷子犬を保護する。彼は飼い主を探すが見つからず、いつしか小学校でその犬を飼うことに。犬は子供たちの人気者になり、やがてタローと名付けられる。

 タローは毎日2キロも離れた石岡駅に向かい、待合室で誰かを待ち続ける。子供たちや町の人々は、駅までの往復を続けるひたむきなタローの姿を見守り続けるが……。

「過去の失敗や不運を悔やんでばかりのわれわれ人間と違い、タローの生き方には迷いがなく目が覚めるようです。石坂監督らはイメージ通りの“タロー役”を保護犬から見いだしたそうですが、ただの役者犬とは違った人生経験のたまものでしょうか、まさに名演です。背景にも妥協がなく、高度成長時代のまま残る国道を探し出したり、廃線になった鹿島鉄道の実車両で撮影したり、旧車マニアたちから25台以上もの車を借りるなどして昭和の街並みを再現したとか。CGで何でもできる時代ですが、やはりアナログ中心だと質感が違うと感じます」(前田氏)

 タローを愛する人々の力で作られた“ご当地映画”。東京公開の後は、全国拡大公開を目指すという。その普遍的な感動が、全国へと広まる予感だ。

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