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単なる思い付き? 自民が社会保険財源に「金融所得」を検討か…投資促進策との矛盾に庶民は疑心暗鬼

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月27日 9時26分

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国民そっちのけ(C)日刊ゲンダイ

 ネット上は動揺と賛否の声が広がっている。高齢化で増大する医療や介護の保険料の財源として、自民党が株式配当などの金融所得も反映させる仕組みの議論を始めたーーなどと共同通信が報じたためだ。

 金融所得は預金や株式、投資信託などの金融商品で得た所得(配当金、利子、株式譲渡益など)で、現在は他の所得とは切り離して課税される「申告分離」などの形をとっている。税率は一律20.315%で、給与所得や事業所得など所得が多くなれば税率も上がる「累進課税」とは異なるため、以前から「金持ち優遇ではないか」といった指摘が出ていた。

 この金融所得への課税を強く叫んでいたのが岸田文雄首相(66)だ。総裁選を控えた2021年9月の会見で、岸田首相(当時の肩書きは前政調会長)は「令和版所得倍増計画」と称し、「中間層の拡大に向けて分配機能を強化し、所得を引き上げる」と主張。その財源として挙げていたのが「金融所得課税の見直し」だった。

■「政府の投資促進策と矛盾していないか」との声も

 このため、SNS上では《今さら総裁選の公約を守るということ?それとも単なる思い付き?》《裏金事件で追い詰められたので、庶民ウケするような政策を探り始めたのか》といった声が上がったのだが、《このタイミングで議論を始めるの?》《政府の投資促進策と矛盾していないか》と驚く意見も少なくない。

 というのも、岸田首相の「金融所得課税の見直し」は総裁選後ほとんど聞かれなくなり、代わりに出てきたのが「貯蓄から投資への流れを加速する」とした新NISA(少額投資非課税制度)だったからだ。

 岸田政権は非課税保有期間の無期限化や投資枠の緩和といった優遇策を打ち出し、新NISAの口座開設数は急増。主要証券会社19社の口座開設ペースは直近3カ月間の平均の2倍に達したという。それほど資金に余裕のない庶民の心を「非課税」でくすぐり、投資市場に誘導する一方で、金融商品の強化案が再び浮上してきたことに違和感を覚えているようだ。

 もっとも自民党の議論は始まったばかりで、具体的な中身は分からない。それでも不安や疑心暗鬼の意見がSNS上で広がるのは、やはり裏金事件を起こした自民党に対する根強い不信感があるようだ。

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