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1ドル=170円説も台頭だが…チャート上ではそろそろ円安ピーク(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月3日 9時26分

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為替介入は?(C)共同通信社

【経済ニュースの核心】

 ドル高・円安が進み、4月29日には一時1ドル=160円台に乗せた。その後、154円台に急落。この4月に152円台に乗せた時から、日本の金融当局による為替介入への警戒感が強まっているが、介入に動いたのだろうか。

 日銀の金融政策決定会合(4月25、26日)を前にした外国為替市場で、円の弱気ポジションが過去最高水準に膨らんでいたことが米商品先物取引委員会(CFTC)のデータで判明。CFTCのデータによると、ヘッジファンドとアセットマネジャーによる円の売り越しは4月23日時点で18万4180枚と過去最高だった前週の水準を上回り、データがさかのぼれる2006年以降で最大だった。

 自民党副総裁の麻生太郎元総理・前財務大臣が4月22日から訪米し、23日にトランプ前米大統領と会談。25日に帰国したが、水面下で米国の財務・為替担当者と接触し、日銀の為替介入への米国の意向などを探ったのかも知れない。

 米国の市場筋では、3月中旬以降、1ドル=160円どころか170円説も台頭していた。為替ディーラーなどプロが多用するドル円チャート(ローソク足)を見ると34年ぶりの円安に日足、週足は役に立たず、月足(月間の動き)が有効で1987年以降で見ると、ドル高・円安の周期は約8年から9年で1サイクルが完了している。今回は2015年6月の125円66銭が起点で、24年4月時点で107カ月目に入り、チャート上ではそろそろ円安のピークとも思える。

 なお、チャート上は90年4月の160円35銭が円安の節目、これを突破すると心理的節目165円となる。

 さて、生保大手8社の24年度運用計画を見ると25年3月末の日経平均株価は、3万3000円から4万3000円と予測が分かれ、期中の安値は3万円から3万9000円、高値は3万9000円から4万8000円とこれも見方が分かれていた。ドル円レートは25年3月末1ドル=130円から151円、期中の安値は143円から170円、高値は120円から145円とばらばらで、足元ですでに計画水準から外れた生保もある。

 ただ、各社の運用計画策定時は、イスラエル・イラン戦争などによる日経平均株価の3万7000円割れの急落前や1ドル=158円台の円安前であり、いま作成すれば違う内容、計画となろう。

 投資部門別売買状況統計によると、4月第3週(15~19日)の個人投資家の現物株買越額は9086億円と、23年3月に記録した7542億円を大きく上回り過去最大となった。海外投資家は現物株の売越額5925億円と昨年の9月以来の大きさで、先物も合わせた売越額は1兆1347億円。3月最終週に続いて今年2回目の1兆円超えとなっていた。

 日本はゴールデンウイーク中だが、欧米の金融市場は動いており、素人投資家は気楽になれないストレスフルなゴールデンウイークであろう。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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