“朝青龍の甥っ子”豊昇龍が捨てるべき「強すぎるケレン味」…安易な投げ技、変化に頼らず勝てるのか
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月14日 14時0分
豊昇龍(C)共同通信社
豊昇龍(大関/24歳・立浪部屋)
「朝青龍の甥」として評判になってから数年。将来の横綱として期待されながら、決め手に欠く場所が続いている。
今場所も初日、熱海富士に敗れると、2日目も阿炎と対戦し、連敗中だ。
5月場所が大関5場所目。負け越しが一度もないのは立派だが、角界で疑問視されているのが、相撲内容だ。
押し相撲も四つ相撲も、何でもできるタイプ。決まり手を見ても、一番多い寄り切りに続いて、押し出し、下手投げ、上手投げ、外掛け、はたき込み……と、多彩な技を持つ力士だとわかる。
問題は何が一番得意なのか、ということだ。親方のひとりは「彼の相撲はけれん味が強すぎる」と、こう話す。
「悪い意味で豊昇龍が一番得意としているのは投げでしょう。上手投げと下手投げで勝ったのは合わせて57番。寄り切りの54番より多い。もちろん、投げが悪いわけではないが、豊昇龍の場合は安易な投げに頼りがちです。初日の熱海富士戦では強引に下手投げを仕掛けたものの、上手をがっちり掴んでいた熱海富士は動かず、豊昇龍の手がすっぽ抜け、自爆です。先場所の琴ノ若(現琴桜)戦でも、最初から投げを打つためだけにまわしを取りにいき、裏目に出て負けた。立ち合いの変化も多く、何でも出来るがゆえに無駄な小細工に走り勝ち。その一方で、2日目の阿炎戦は相手が立ち合いのもろ手突きを得意としているのを知っていながら、正面から仕掛けて吹っ飛ばされた。自分の強みは何かを追求し、どう相撲を取るかを考えていかないと上積みは難しい」
相撲には真摯に向き合っており、稽古熱心。近年は外国人観光客の団体を受け入れ、朝稽古を見学させる部屋も多い。立浪部屋もそのひとつだが、相撲文化を知らない外国人は稽古の勝ち負けでさえ、拍手をして騒ぐことがある。部屋によっては「お客さん」の彼らの好きにさせているものの、豊昇龍はキッパリと「集中できないんで、やめてください」と注意している。
先場所は尊富士、大の里と新鋭に土をつけ、場所前の稽古も順調だったはず。立ち合いの圧力を磨き、正攻法でも勝てる相撲を身に付ければ、結果もおのずとついてくる。
◇ ◇ ◇
一方、優勝候補に挙げられている大の里は 4月に未成年力士へのアルハラ&パワハラ疑惑が報じられたものの、本人はどこ吹く風なようでーー。
●関連記事【大の里編】…も要チェックだ。
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