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北越&大王の業務提携は“圧力”かわす狙いか…6月株主総会控えアクティビストとの熱い戦い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月25日 9時26分

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北越コーポレーションの岸本晢夫社長(C)共同通信社

【経済ニュースの核心】

 北越コーポレーションは15日、大王製紙と戦略的業務提携を締結したことに伴い、持ち分法適用会社として保有している大王製紙株について「必要な範囲で削減する」との方針を示した。北越は今年3月末時点で大王株を約25%保有している筆頭株主だ。戦略的提携により両社の関係が「新たなステージを迎えた」として資本関係の見直しに入る。

 だが、この動きについて市場関係者は、「北越は香港のアクティビスト(物言う株主)オアシス・マネジメントから6月27日の株主総会に向け岸本晢夫社長の解任提案を突き付けられている。戦略的提携や大王株削減は、その圧力をかわすのが狙いだろう」と見方を示す。

 オアシスは北越株の約18%を保有する第2位の株主だ。岸本社長の解任に加え、現任の4人の社外取締役の解任も求めている。「オアシスは2019年以降、北越に大王株の売却を求めてきたが、北越は従わなかったため、昨年の株主総会の開催前にも、他の株主に岸本社長の再任案に反対票を投じるよう呼びかけていた」(メガバンク幹部)という。

 オアシスは、岸本氏は代表取締役社長として在任した16年間、経営に失敗したと指摘。今回の大王株削減方針についても、オアシスの最高投資責任者であるセス・フィッシャー氏は「具体性を欠く」と批判している。

■いわくつき因縁が…

 実は、北越と大王の資本関係には、過去からのいわくつき因縁がある。北越が大王株を保有することになったのは、王子製紙、日本製紙が大王買収へ動いたことが契機。これを回避するため、北越は大王株買いで支援したのが始まりだ。「北越の岸本社長と大王創業家の井川高雄氏(当時)とは盟友関係にあった。岸本氏には、2006年に王子製紙が北越買収(TOB)に動いた時に、井川高雄氏が北越株の防戦買いで助けた恩義がある」(同)とされる。井川高雄氏は、カジノで106億円をつぎ込み、会社に損失を負わせたとして特別背任で有罪判決を受けた井川意高氏の父親である。余談になるが、このカジノ事件の背景には、大王グループの経営権を巡る確執があったとされる。

 昨年の北越の株主総会では、オアシスの株主提案は過半数に達せず否決されたが、岸本晢夫社長の再任の賛成票の比率は前年から約15ポイント低い65.13%にとどまった。6月の株主総会を控え、北越・大王とアクティビストの熱い戦いから目が離せない。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

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