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中尾彬夫妻の“おしどり夫婦”ぶりは「おい、志乃」「何、おまえさん」とやりとりしているようだった

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月26日 9時26分

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中尾彬さんと池波志乃さん夫妻(C)日刊ゲンダイ

 突然すぎるという言葉しか見つからない。先週亡くなっていたことが報じられた中尾彬さん、81歳。店頭買い取り「福ちゃん」のCMに、池波志乃さんと元気な姿で出演していたから、なおさらである。

 お話をうかがったのは6年前。池波さんとの共著「終活夫婦」の紹介も兼ね、「私の酒人生」というテーマでご夫婦でご登場いただいた。おしどり夫婦ぶりは取材の撮影の対応の時だけかと思っていたのだが、中尾さんと池波さんは体をピタリと寄せ合い、時代劇調にいえば、「おい、志乃」「何だい、おまえさん」とやりとりしているような仲睦まじさだった。

 親しくなったのは新潟の地酒「越乃寒梅」がきっかけだった。50年ほど前、2人は時代劇で共演した。ロケバスの中で中尾さんがつてを頼ってどうにか手に入れて飲んだ越乃寒梅の自慢をした。越乃寒梅は第1次地酒ブームの象徴のような存在だった。すると、池波さんに「私は毎晩飲んでる」と言われて驚いたという。

 そんな経緯があって池波さんが台本の裏に越乃寒梅が飲める店の地図、電話番号を書いて教えたが、結局、2人で行くことになったのが付き合いの始まり。池波さんは「噺家の血筋(祖父が5代目古今亭志ん生、父は10代目金原亭馬生)ですから、私たち夫婦は付き合うきっかけもお酒でした」と語った。そして「酒の飲み方も志乃さんとは最初から合いましたね」と中尾さん。

 中尾さんは2007年に急性肺炎および横紋筋融解症の大病を患い、2カ月入院。それでも「その時は飲めなかったけど、退院して少しずつ飲み始めました。酒を飲まなきゃ人生の楽しみを半分知らないようなものです」ときっぱり。

 16年間「食日記」をつけていること、夜には池波さんのお品書きが届いて晩酌する話なども。

 中尾さんの大好物もうかがった。「海のパイナップル」ホヤだった。中尾さんが好きだったのは切ったホヤを乾燥させ、かつてキャラメルを入れて売っていたような紙の箱に入れた珍味。ホヤは三陸でとれるため、東北新幹線の車内で販売されている。中尾さんは他に買い求める人を気遣い、1箱くらい残して買い占め、珍味を堪能した。日本酒片手に珍味を食い尽くす中尾さんの姿が目に浮かぶようだ。

 そんな伴侶を失った池波さんの寂しさも偲ばれる。 合掌

(峯田淳/日刊ゲンダイ)

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