1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

梅澤よ、どうして我慢して投げ続けたの?春季関東大会直前に発覚したエース格の足指骨折【76歳名将の高校野球論】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月27日 9時26分

写真

梅澤は今月中に実戦復帰予定(C)日刊ゲンダイ

【持丸修一 76歳名将の高校野球論】

 26日に閉幕した春季関東大会。我々、専大松戸(千葉)は東海大相模(神奈川)との初戦で敗れてしまいました。

 勝負事ですからもちろん悔しいのですが、「次につながる負け」だった。その点では実りがありました。守備、打線、走塁で不足している部分を洗い出し、夏に向けて取り組むべき課題がハッキリしたからです。

 関東大会ではエース格の最速149キロ右腕・梅澤翔大(3年)が欠場しました。夏に向けた戦略ではありません。千葉大会の木更津総合との初戦の終盤、どうやら、ピッチャー返しを足で止めようとして左足小指を負傷。痛かっただろうに我慢して言い出してくれず、そのまま2回戦、3回戦と登板させてしまいました。

 どこか本調子ではないな、いまひとつ踏ん張れていないなとは思っていましたが、関東大会に備えるための練習試合で症状が悪化。「実はあの時に……」と話してくれたのです。フタを開けてみたらまさかの骨折だった。手術をして、今月中には実戦復帰できそうなのは不幸中の幸いでした。

 痛めてすぐに報告しなかったことを叱る気はありません。しかし、どうして黙っていたのでしょうか。

 梅澤はプロ志望があるだけに、登板を重ねてプロにアピールしたい気持ちがあったのか。あるいは、春季大会は最後の夏のシード権がかかっているから、「自分が投げなければ」という責任感が彼を追い込んでしまったのか。

 チームのためか、それとも個人的な問題だったのか……。投手は気が強いに越したことはないけれど、チームを背負って投げることができないのであれば、こちらも信頼して起用することができなくなってしまう。今後のためにも、しっかり理由を把握しておく必要がある。様子を見ながら、それとなく尋ねてみるつもりです。

 関東大会では梅澤が欠けた分、5人の投手を試すことができました。中でも、七回無死3塁から3番手として登板した左腕・清水友惺(3年)は、これまで「4番・中堅」で使い続けてきた選手。送球のコントロールはなかなかのもの。ひょっとしたら投手の才能もあるかもしれない。モノになりそうなら夏はワンポイントで使えるなとマウンドに立たせてみたんです。

 結果はどうあれ、練習試合ではなく公式戦で、しかも全国区の相手に経験を積めた。それだけでも大きな収穫です。夏は清水を投手起用するか?いや……。この日の試合結果を調べてみてください(笑)。

(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイでは専大松戸の持丸修一監督と元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏のコラムを毎週交互に連載している。

【関連記事】にはそれらをピックアップ。ちなみに、掲載から約1カ月で有料会員限定公開に移行するため、今のうちに要チェックだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください