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6月の株主総会集中日に向け「モノ言う株主」活発化…“アクティビスト銘柄”は買いなのか?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月27日 9時26分

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ストラテジックキャピタルの会見。写真は丸木強代表(提供写真)

 3月期決算の企業は、6月末に株主総会を開くことが多い。そこに向けて株主の動きも活発化する。そんな中、注目されているのが、「モノ言う株主」ことアクティビストだ。個人投資家は、どう対応すればいいか。

  ◇  ◇  ◇

 アクティビストのひとつストラテジックキャピタル(SC)は今年、過去最高となる9件の株主提案を行った。そのうちアパレル中堅ダイドーリミテッド(東京)は3月末時点で、SCが32.2%の議決権を保有。4月17日に株主提案を公表している。

「ブルックスブラザーズ」「ニューヨーカー」などのブランドで知られるダイドーリミテッドの営業損益は過去10年赤字が続く。2023年3月期は本社ビルの売却で最終損益で黒字を確保したが、本業の衣料事業は19年3月期を除いてすべて赤字だ。そこで17年と21年には合計150人の希望退職を実行し、従業員のリストラを進めるが、経営陣と監査役には自社株式を1円で取得できるストックオプションを付与。苦しい状況で経営陣にメリットがある仕組みはちょっと理解しがたい。

 確かにコロナ禍でアパレル業界は苦境に直面。各社、赤字に転落していたが、オンワードやユナイテッドアローズ、三陽商会などは業績が回復。すでに黒字に転じているが、ダイドーは今なお赤字が続く。SCが問題視するのも、ダイドーが苦境から脱する気配が見えない点だ。

 丸木強SC代表は、「不動産賃貸業は資本コスト未満の収入しか得られていないし、欧米の上場企業は不動産をほとんど持たないのが一般的。不動産の含み益を入れると、PBR(株価純資産倍率)は1倍割れで、本業の衣料事業に自信がないから、不動産事業をやっていることは明らかです。現体制では、株主価値の向上は実現不可能。自信のある人に経営者を代わってもらえればいい」と、鍋割宰社長ら現経営陣の退陣と独自の取締役候補6人の選任を求めて株主提案を行っている。

 その取締役候補には、アパレル大手オンワード樫山で社長、会長を歴任した大沢道雄氏やブルックスブラザーズ日本法人で最高財務責任者(CFO)を務めた中山俊彦氏らが並ぶ。丸木代表は株主総会での採決に向けて強気の姿勢をみせている。

■三井不や住友商などはエリオット保有で上昇

 ほかのアクティビストの動きはどうか。たとえば日本グローバル・グロース・パートナーズ・マネジメント(NHGGP)は、「マルちゃん」でおなじみの東洋水産に株主提案。即席麺事業に集中し、冷蔵倉庫事業や加工食品事業などは撤退や分離を提案したほか、配当の増額、総額200億円の自己株式取得などを求めている。アクティビストの動向に詳しいみずほ証券チーフ株式ストラテジストの菊地正俊氏が言う。

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