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体操金メダリスト塚原直也さんは不動産会社の嘱託社員 体操クラブの総監督を辞したワケ(あの人は今)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月3日 9時26分

 塚原さん、前向きだ。

 ウイークデーは毎朝5時起きで、世田谷区内の自宅から約1時間かけ、電車とバスを乗り継ぎ、8時半までに出社。午後からスポーツウエアに着替え、同社のアリーナや地元の幼稚園や小・中学校で体操教室を行っている。

「父が『バディスポーツ幼児園』という私立幼稚園と共同で、この2月から八王子の『バディ塚原体操クラブ』を運営しているので、僕も週1日はそこで女子高生ら約10人に本格的な指導をしています。そのうちの5人は、4月におこなわれた全日本選手権に出場しましたよ。パリ五輪出場は難しいと思いますが」

 現役中の12年に、5歳年下の航空会社勤務だった女性と結婚。小5の長男、小3の次男、小1の三男の家族5人暮らし。

「自分が一人っ子で寂しかったので、子どもは多いほうが楽しいかな、と思ったんです。実際、3人もいると、にぎやか。親の言うことはききませんから(笑)、子どもに体操を無理強いしてはいません。やっているのは、次男だけですね。子育ては休日に、子どもの習い事の送り迎えをしています。でも、それ以外は、平日の睡眠不足を補うために充電するのが精いっぱいです」

パリ五輪の予想は?

 さて、塚原さんは、五輪3大会で5つの金メダルを獲得した光男さんと、元五輪体操選手の母・千恵子さんの間に生まれ、10歳から本格的に体操を始めた。

 高校時代に頭角を現し、アトランタ、シドニー、アテネと3大会連続五輪出場。アテネで団体総合金メダルを獲得した。

「シドニーで大失敗し自信をなくしたので、そこから立て直すのが一番大変でした。失敗はつらくても、成功に向けて試行錯誤を楽しむうち、気付いたら金メダル、という感じでした。体操が好きだったから乗り越えられたのかな、と思います」

 08年の北京五輪を逃したのを機に、豪州代表として五輪出場を目指し、豪州国籍取得。しかしかなわず、16年、引退した。

「豪州代表として世界選手権には出場できたし、吊り輪で『ツカハラ1』『──2』『──3』という3つの新技を編み出せたのでやり切りました。国籍は、引退1、2年後に日本に戻しました」

 最後に、パリ五輪をうらなってもらうと、「男子は選手育成のシステムがしっかりしています。中国が一番のライバルなので、中国との戦いをどう制するか、にかかっているでしょう。女子は村上茉愛選手ら牽引していた選手が引退したので、上位を狙うのは厳しいかもしれませんが、若い力に期待したいですね」。

(取材・文=中野裕子)

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