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吉井ロッテ“20日間負けなし”! 選手起用の裏に「仰木マジック」と「野村ID」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月3日 11時0分

吉井ロッテ“20日間負けなし”! 選手起用の裏に「仰木マジック」と「野村ID」

試合後の吉井理人監督(C)共同通信社

 引き分けを挟んだ連勝は「11」で止まった。しかし、負けたのは5月12日の日本ハム戦以来、実に21日ぶりだから、指揮官が「チームは粘り強くなった」と言うのももっともか。

 2日の阪神戦に惜敗したロッテのことだ。

 1点を追う九回は無死一、二塁のチャンス。追い付けば5戦連続、九回に1点差を追い付くところだったが、ソトが遊ゴロ併殺、ポランコが二ゴロに倒れた。

「連勝ストップ? 連勝は全然、気にしてませんでした。(完封した阪神の才木は)いい投手なので、なかなか打てませんでした。変化球が多く、うまくかわされたと思う」

 試合後の吉井理人監督(59)はさばさばした表情でこう言ったが、粘り強さを生んでいるのは指揮官のハンドリングではないか。

 特徴のひとつは「日替わり打線」だろう。かつての恩師で吉井監督が近鉄やオリックスでプレーしたときの指揮官・故仰木彬監督の選手起用や采配は「仰木マジック」と呼ばれ、日替わり打線を多用。「マジック」の種を自らこう明かしている。

「選手はみな、自分にもっと仕事をさせろという欲を持っている。けれども9勝9敗では貯金はできないし、選手もチームも得をしない。欲のかき過ぎはアカン。ならば3勝1敗の選手を3人使った方がええ。選手みなで潤うということ」

 ロッテの総得点158はリーグ4位。昨年本塁打王のポランコ、18、19年本塁打王のソトの両外国人がいるものの、それ以外は軸になるような選手がいない。吉井監督によれば、打線はデータを重視して決めているそうで、恩師の手法を踏襲しやすい状況ではある。

 影響を受けたもうひとりの恩師といえば、故野村克也元ヤクルト監督だろう。ヤクルトでプレーしていた当時、先発して六回でKOされた。次の試合は大ケガをする以前、五回で代えられるだろうと思ったら逆で、七、八回まで投げられたという。やられたらやり返してやる、なにくそという反骨心をあおるための起用だったと吉井監督は受け止めたようだ。その選手起用や采配は「ID野球」の異名を取ったが、実は情に厚い指揮官でもあった。

 吉井監督もまた、ミスや失敗をした選手にチャンスを与えている。抑えの益田(34)の起用が象徴的だろう。開幕から2戦連続で抑えに失敗すると登録抹消、一軍復帰後も度々、試合を壊しているとはいえ、いまだストッパーとして起用し続けている。

「吉井監督が仰木さんや野村さんの影響を受けているのは事実。日替わり打線や失敗した選手にもチャンスを与えることで、結果として全員野球になっている。それがチームに一体感をもたらし、土壇場での粘り強さにつながっているのではないか」とはロッテOBだ。

  ◇  ◇  ◇

 すっかり“不良債権”と化しているのが「7番・三塁」でスタメン出場した中村奨吾だろう。この日は五回、2死走者なしから内野安打をマークしたものの、ここまで47試合で打率.219、1本塁打。国内FA権を行使せず残留した22年オフに年俸2億円、4年総額10億円規模の大型契約を結んでいたが……。

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