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なでしこパリ五輪メダルに暗雲...NZ相手に2連勝も、攻守の不安材料が浮き彫りに(鈴木良平)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月4日 17時10分

 大きな懸念材料が露呈し、五輪メダル獲得に暗雲が垂れ込めた感がある。

 後半に向けて池田太監督は「3枚替え」を断行した。ピッチに送り込まれたFW浜野まいか(チェルシー)とMF谷川萌々子(ローゼンゴード)の20歳コンビ、代表9試合ながら3得点のMF千葉玲海菜(25=フランクフルト)が躍動。

 後半4分と15分に浜野が連続ゴールを決めて逆転に成功した。さらに21分、先発した20歳FWの藤野あおば(東京Vベレーザ)が3点目を蹴り込み、35分には千葉がダメ押しの4点目を奪った。

 4-1とスコア上では、なでしこの完勝劇となった。もっとも、後半の4得点は、前半にパワーを使い切ったニュージーランド選手のペースが、ガタ落ちしたことを差し引かなければならない。

 攻撃では、世界の女子サッカー界でも攻撃センス、テクニックともに一級品のMF長谷川にボールが集まり、自在の攻撃を見せられる時はチームの攻撃も多様さを増すが、前半のようにタイトなマークに遭って動きを封じられると、なでしこ全体の攻撃が機能不全に陥ってしまう。

 打開策としては、ピッチ中央で攻撃を差配する長谷川ひとりに頼らず、左右からのサイド攻撃を織り交ぜることで活路を見出したい。

 ニュージーランドとの2戦目では、左シャドーのFW宮澤ひなた(24=マンチェスター・ユナイテッド)と左WBに入ったMF北川ひかる(27=INAC神戸)、右シャドーのFW藤野と右WGに入ったDF清水の「左右両サイドの選手の連係」が、いまひとつ機能しなかった。

 最後は点差こそ開いたとはいえ、格下相手に苦戦を強いられる要因のひとつとなった。

 絶対的な攻撃の差配役である長谷川と左右両サイドでプレーする選手たちが、いかに連動性を高めていくことができるか。

 このことが、メダルを獲得するための命綱となるだろう。

 なでしこジャパンは7月13日、石川・金沢市で「能登半島地震復興支援マッチ がんばろう能登」と銘打った壮行試合でガーナと戦った後、パリに乗り込んで行く。

 なでしこたちはメダルを獲得できるか?

 過去最高位の2012年ロンドン五輪準優勝を上回る成績を手にすることができるか?

 池田監督体制になってから、なでしこは正常進化を遂げており、パリでは優勝を争ってくれるだろうと思っていた。しかしながら、その思いは今回のニュージーランドとの2連戦で、いささか揺らいでしまったのも事実。

 大舞台の初戦まで1日も無駄にせず、レベルアップを図って本大会ではメダルを獲得し、低迷気味の日本の女子サッカー界を盛り上げてもらいたい。切にそう願っている。

(鈴木良平/サッカー解説者)

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